例年ならチカ釣りでにぎわう秋の苫小牧港だが、今年は少し様子が違う。11月中旬、苫小牧港・西港の南埠頭(ふとう)に足を運んだ釣り倶楽部担当が目にしたのは、季節外れのサバがさおを揺らす光景だった。
この日、昼すぎから南埠頭で釣り座を構えた苫小牧市明野新町の男性(68)は約2時間でサバ20匹をキャッチ。使用したのは5・3メートルの延べざおにサビキ(素針)5号仕掛け。食わせ餌としてオキアミを針に付けて投入し、コンスタントに釣果を挙げていた。
当たりのあった棚は水深1~2メートルと浅く、釣れた魚も20センチ未満の小型がほとんど。この日は午前中にイワシの回遊があったものの、正午からはサバが姿を見せ始め、「他の魚は逃げてしまったようだ」と周囲の釣り人たちは話す。
例年この時期、同埠頭では大チカ狙いで釣り人が大挙する日が多いが、今年はまばら。例年にない海水温の高さなどが要因としてささやかれる中、男性は「海辺の寒さは厳しいが、釣れると信じてもう少し粘りたい」と話していた。