女子1500・森野8位入賞 インカレ・苫小牧

男子500メートルで力走する山梨学院大の杉山=5日、市ハイランドスポーツセンター

 第95回日本学生氷上競技選手権大会スピードスケート・フィギュアスケート競技は5日、苫小牧市のハイランドスポーツセンター、白鳥王子アイスアリーナで各競技を開始した。スピードスケートは男女5種目が行われ、女子1500メートルの森野こころ(日体大1年)=駒大苫小牧高出=は2分12秒97で8位入賞した。

   昨年2月の北京冬季五輪男子500メートル銅メダリストの森重航(専大4年)=根室管内別海町出=は、同種目でまさかの2位。苫小牧スピードスケート連合少年団OBの杉山敦郎(山梨学院大4年)=苫小牧光洋中―駒大苫小牧高出=は25位だった。

   フィギュアスケート男子7・8級に挑んだ坪井聖弥(北洋大4年)は26位に終わった。

   大学生の頂点を競うトップクラスの一戦。スピードスケート、フィギュアの両競技開催は2017年の第89回大会以来で、それぞれ7日を最終日とする3日間にわたって行われる。

   スピードスケートは278人がエントリー。距離別の個人、チームパシュートなど団体の計13種目が実施される。

   フィギュアには185人が出場。男子7・8級、女子3級、同4級の3部門が行われた。

   競技は日本スケート連盟のバッジテストで8クラスに分かれたフリー演技が行われる。

  スピードスケート

   【男子】

   ▽500メートル (1)阿部心哉(日大)36秒23(2)森重(専大)(3)倉坪(日大)(25)杉山敦郎(山梨学院大)38秒90▽1500メートル (1)山田和哉(高崎健大)1分49秒06(2)野々村(専大)(3)佐藤(明大)(19)鮫川友希(日大)1分59秒29▽1万メートル (1)菊池健太(専大)13分58秒39=リンク新=(2)森野(日体大)(3)松本(高崎健大)

   【女子】

   ▽500メートル (1)熊谷萌(山梨学院大)39秒94(2)小野寺日(高崎健大)(3)小野寺留(同)(15)船崎陽里(信州大)43秒14▽1500メートル (1)真野美咲(日体大)2分8秒54(2)宮川(同)(3)矢澤(高崎健大)(8)森野こころ(日体大)2分12秒97

  フィギュア

   【男子】

   ▽7・8級 (1)佐藤駿(明大)181・29(2)森口(8)(同志社大)(3)壷井(神戸大)(26)坪井聖弥(北洋大)86・09

   【女子】

   ▽3級 (1)土屋凜菜(早大)42・84(2)石井(慶大)(3)今井(育英短期大)

   ▽4級 (1)井上凜香(白百合女子大)46・67(2)秋田(順大)(3)香川(昭和女子大)

  ―杉山、原点のリンクで力走

   集大成の年に初めてインカレ出場を果たした男子500メートルの杉山が、原点のリンクで力走した。「いつも以上に気合が入っていた」と最初の100メートルを全体15位の好スタート。最終タイムこそ屋外ベストに及ばなかったが「納得のレース」と胸を張った。

   新型コロナウイルス禍ながら有観客開催となった今回。会場には両親や少年団時代の恩師ら関係者が多く駆け付け、声援を送ってくれた。「大学生になった自分のレースを見せることができて良かった」

   2007年の世界距離別選手権男子500メートル銀メダリストで、元日本記録(34秒27)保持者でもある及川佑らを輩出した強豪山梨学院大に進学。過去3年は部内競争に敗れインカレ切符をつかめずにいた。

   最終学年で巡ってきた地元苫小牧開催のインカレに向け、部の全体練習はもちろん、大学講義の合間を縫って課題克服の自主練習にも力を入れた。不退転の覚悟でつかんだ500メートル滑走の権利だった。

   卒業後は競技の一線から身を引くという。30日に八戸市で始まる国民体育大会が最後の大舞台。「入賞して終わりたい」と意気込んだ。

  ― 坪井 最後のインカレ、不運に泣く

   フィギュアの坪井にとって、最後のインカレは不運に見舞われた。演技直前の公式練習中、スケートの靴ひもを締めるフックが破損。急きょ粘着テープなどで補強したが、得点に大きな影響が出てしまった。

   最初のジャンプは3連続のコンビネーションを予定していたものの、靴の状態への不安から単発のジャンプに変更。その後もコンビネーションは1本しか決まらなかった。終盤のトゥループ(ジャンプ)は靴ひもの緩みから踏ん張りが効かず、諦めざるを得なかったという。

   演技はやり切ったがリンクサイドで目を真っ赤にしながら肩を震わせた。アピールポイントのダンスも直前のアクシデントで気が動転。「手の動きや目線など、細かい所作をやり切れなかった」

   特別国民体育大会冬季大会スケート競技会(28日~2月5日、八戸市など)も控えている。「ジャンプやスピンをやり切り、ダンスもこれからもっと詰めていきたい」と涙を拭った。