サントリー10度目V Vリーグ男子・バレーボール 「プレーハード」で最後の王者

サントリー10度目V Vリーグ男子・バレーボール 「プレーハード」で最後の王者
Vリーグ1部男子で優勝し、喜ぶサントリーの選手ら=3月31日、東京・有明コロシアム

 バレーボールのVリーグ1部(V1)男子プレーオフは3月31日、東京・有明コロシアムで決勝が行われ、レギュラーラウンド2位のサントリーが同1位のパナソニックを3―0で破り、2季ぶり10度目の優勝を果たした。パナソニックは5季ぶりの王座を逃した。

   サントリーはムセルスキーやデアルマスの強打を軸に第1セットを奪い、第2セットは37―35までもつれた激戦を制した。第3セットは序盤の連続得点で主導権を握って勝ち切った。

   現行のVリーグは今季を最後に再編され、今秋には世界最高峰を目指す「SVリーグ」が始まる。

   9544人の大観衆が固唾をのんで見守った決勝。最後はムセルスキーがバックアタックを決め、サントリーが王座を奪還した。今季加入した小野寺は「最高の結果を最高の仲間と一緒につかめたことが、何よりもうれしい」と声を弾ませた。

   サーブで相手の得点源のジェスキーを徹底的に狙い、アタック決定率を30%台に抑えた。攻撃では大エースのムセルスキーが苦しい体勢からの強打で何度もチームを救い、他のアタッカーも奮闘。42分間の死闘となった第2セットを37―35で奪い、その勢いでストレート勝ちを収めた。

   昨年12月の世界クラブ選手権で、日本勢初の表彰台となる3位。だが、その後のレギュラーラウンドではパナソニックにホームで2戦連続のストレート負け。これが転機となり、山村監督は「『プレーハード』というスローガンを徹底してやっていこうと、初心に戻ることができた」。

   山村監督の就任後、4季連続で決勝に進んで3度の優勝。現行形式では最後のVリーグ王者となった。昨季の決勝で敗れた悔しさを糧に精進してきた主将の大宅は「終わらないでほしいぐらい幸せな時間を過ごせた。勝ち切れてよかった」。激戦を制し、感慨に浸った。