苫小牧市のサッカー少年団、苫小牧中央FCファンタジスタは3日、使用することがなくなったユニホームなどを含む衣類約150着を生活協同組合コープさっぽろ(本部=札幌市)の宅配苫小牧センター(市内日吉町)へ届け、同生協が取り組む資源回収に貢献した。これらの古着は東南アジアへ輸出される見通しだ。
チームは4年前、ユニホームを新調し、選手へ貸借する形式から各個人が購入する形式へ変更。それまでに使用していたジャージーやユニホームは不用となり、処分を検討してきたが、団員たちが「世界で必要とする子供たちに使ってもらえないか」と提案。譲渡先を探していたところ、同生協の取り組みに行き当たった。
歴代の先輩から受け継いだ一番古い物では23年前に使用していたユニホームも残っていた。20年間、チームを指導してきた大串和弘監督は「全道大会でいい経験をしたり、社会人になっても活躍したりしている選手たちが身に着けてきたユニホーム」と語る。
同センターへ古着を届けたのは今年度、中学校へ進学し、先日チームを退団した7人。このうち、高嶋航輔(12)は入団したての頃に着用していたユニホームを見ながら「デビュー戦は不安でいっぱいだった」、松塚悠真(同)は「得点を狙ってピッチを走った」と振り返った。2人は「このユニホームが、世界のどこかでサッカーを楽しむ子供たちに届いてくれれば」と願った。
回収された古着は同生協のエコセンター(江別市)へ搬送され、仕分け作業が行われる。そこから、旭川市の運輸会社へ送られ、同社が所有するカンボジアの工場へ輸送された後、同国やほかの東南アジア諸国でリユース販売される。
古着を受け取った同生協宅配事業本部苫小牧センターの多田考太センター長は「スポーツチームからのユニホーム寄贈は珍しい。現地で手にした子供たちが喜んでくれればうれしいし、積極的に取り組んでいきたい」と話した。