【ロンドン時事】7月26日に開幕するパリ五輪の聖火採火式が16日、古代オリンピック発祥の地、ギリシャのオリンピア遺跡のヘラ神殿跡で行われた。凹面鏡で太陽光を集めて火をおこすのが習わしだが、曇り空のため事前に採火した予備の火を代用した。17日で五輪開幕まで100日。
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「五輪は平和的な争いにおいて全世界を一つにする唯一の大会。われわれは一つにするもの、希望を与えるものを切望している。五輪の聖火は希望の象徴だ」と述べた。2021年東京五輪と22年北京冬季五輪の採火式は新型コロナウイルスの影響により無観客で行われたが、今回は大勢の観客が熱心に見守った。
聖火は、黒と白のデザインに一新された衣装を着用した巫女(みこ)役の女性から東京五輪のローイング男子シングルスカル金メダリスト、ステファノス・ヌトゥコス(ギリシャ)に渡され、ギリシャ国内のリレーが始まった。第2走者は、04年アテネ五輪競泳女子400メートル自由形金で開催国フランス出身のロール・マナドゥさんが務めた。
聖火は26日にアテネでパリ大会組織委員会に引き渡された後、帆船で地中海を渡ってフランスに運ばれ、5月8日に仏南部のマルセイユに到着する。