苫東、3年ぶり全道へ 室支部大会 チーム力で強豪破る 高校サッカー

実戦形式の練習で汗を流す選手

 苫小牧東高校サッカー部は、12日から稚内市で開かれる第77回北海道高校選手権大会兼全国高校総合体育大会北海道予選会に出場する。室蘭支部大会(5月21~24日、伊達市)の準決勝で強豪・駒大苫小牧を破り、3年ぶりの全道出場を決めた。古曽部統太郎監督は「ベンチを含め、選手みんなが100%の力を発揮してくれた」と話す。

   昨年度まで室蘭支部からは上位3校が全道大会へ進んでいたが、参加校の減少により、今年度から全道への切符は1枚減り、2校のみとなった。U18のトップリーグ「プリンスリーグ」で戦う駒大苫小牧や大谷室蘭といった強豪私立高がひしめく中、セットプレーやワンチャンスを生かしたチーム力で全道進出をたぐり寄せた。

   16校が出場した室蘭支部大会では、準決勝で駒大苫と激突。堅い守りとロングスローからのセットプレーからの2得点で勝利を挙げた。古曽部監督は「体力、技術ともに格上の相手で守備の時間も多かったが、早い時間に得点できたことで落ち着いた試合運びができた」と振り返る。決勝でこそ、大谷室蘭に敗れたものの、見事な準優勝だった。

   チームの部員は選手37人とマネジャーが2人。4月の春季大会前には10人近くのけが人を抱えていた。主将のFW八城颯太朗(3年)もその1人で、練習試合で相手のボールを奪いに行った際に左足をひねるような形になり、疲労骨折の一種であるジョーンズ骨折と診断された。

   室蘭支部大会に出場できなかったが「最後まで諦めず、みんな懸命に走り抜き全道出場を決めてくれた」と話す。けがの回復は進むものの、全道大会には間に合いそうもなく「主将なのにチームメートに申し訳ない。ベンチの外からにはなるが、ベスト8を目指して声を出し、精いっぱい応援したい」と力を込める。

   試験期間中の6日午後は、苫小牧市緑ケ丘公園サッカー場で実戦形式の練習を行い、汗を流した。「文武両道を掲げているので勉学も大事。全道に向けてコンディションを整える練習をしている」と古曽部監督。プリンスリーグにも出場し、全道大会の初戦で当たる北照高については「球際が強く、運動量も豊富なチーム。室蘭支部大会のように粘り強くプレーし、チャンスを生かしたい」と話し、まずは1勝を目指す。