錦岡で手のひらマツカワ 秋カレイ狙いの投げ釣り

サバの短冊に食い付いたリリースサイズのマツカワ

 秋カレイを狙う投げ釣りシーズンも終盤になった。例年この時期には、サケ釣りと並行してマツカワ(タカノハガレイ)を狙う人が多い。今季、大物の情報は少ないものの、40センチ前後のレギュラーサイズはぽつぽつと上がっているようだ。ただ、取材に訪ねた苫小牧市西部の海岸はまだ小サバやフグが多く、これらの餌取りが落ち着く今後に期待したい。

   錦岡、白老方面の海岸は、朝こそサケ狙いの釣り人がいくらか釣り座を開いているものの、日中は閑散としている。今季はサケの魚影が薄いことと、場所によっては餌取りがまだ居座っていることから、秋カレイ狙いの投げ釣りをする人も少ないようだ。

   白老との境界に近い別々川河口の左岸で3本の投げざおをセットしていたのは、苫小牧市内の年配の投げ釣り愛好家。サケの魚影が薄いため、マツカワとクロガシラを狙おうと、午後からさおを出した。

   仕掛けは、マツカワ狙いで針の上にフロートを付けたものと、カレイ用の胴突き仕掛け。いずれも2本針仕立てで、マツカワ仕掛けの針には塩でがっちり締めたサバの身餌を短冊にして、クロガシラ狙いの仕掛けには塩エラコと塩イソメを付けて50~80メートルほど沖に投げ込んでいた。

   仕掛けを投じると、10分ほどでさお先が揺れた。カレイなら少し間を置いてしっかりと食わせてから合わせるのがベターだ。釣り人は道糸が大きくふけたところでさおを手に取り、大きくあおって針掛かりさせ、仕掛けを回収した。ところが釣れたのは、なんと20センチを超える立派なフグ。釣り人も「糸がふけたから期待したのに。軽いから何か変だと思ったら…」と苦笑していた。

   その後はサバの猛攻。フロート効果で水中に漂うマツカワ仕掛けに限って20~30センチ弱の小サバばかり掛かるという。カレイは、餌取りのサバとフグとの格闘との合間に、手のひらサイズのマツカワが1匹食い付いただけ。マツカワの35センチ未満はリリースが求められており、釣り人は丁寧に針から外して海中に戻していた。

   この時期にサバやフグがいるのは海水温が高いことの裏付け。仕掛けの餌は交換するまでもなく、すぐに針からなくなる。11月だけに餌取りは間もなく落ち着くとみられ、そのタイミングで秋カレイに期待したいところだ。

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