• 木版画の窓(上) 風景を描く 自然の力強さや繊細さに驚嘆
    木版画の窓(上) 風景を描く 自然の力強さや繊細さに驚嘆

       苫小牧市美術博物館で、企画展「浅野武彦の木版画の世界」が開かれている。同展では川上澄生に師事した木版画家で、医師でもあった浅野武彦さん(1927―2016年)の作品が並ぶ。同館学芸員の大谷明子さんが、3回にわたり作品の魅力を紹介する。 ◇  浅野武彦は札幌市生まれで、北海道大学医学部を

    • 2019年12月17日
  • (2)東胆振中心にヒグマの目撃急増 限られた個体が出没か、薄れる人への警戒心
    (2)東胆振中心にヒグマの目撃急増 限られた個体が出没か、薄れる人への警戒心

       2019年は東胆振1市4町(苫小牧市、白老町、厚真町、安平町、むかわ町)をはじめ、札幌市など道内各地でヒグマの目撃が急増した1年だった。苫小牧署に入った管内のヒグマの目撃に関する通報件数は11月末時点で115件。18年の合計62件を大きく上回り、同署や各市町は例年以上の対応に追われた。  専

    • 2019年12月17日
  • ▶2 女性活躍社会に思う

       「一部の若い世代の女性の間で、社会に出て働きたくないから、早く結婚して配偶者に養ってもらいたいという考えが広がっているようだ」  今年、取材相手からそんな話を聞くことが幾度もあった。最初は今年初め。10代後半の娘を持つ50代女性の取材中だった。この女性は娘から、「少しでも『条件のいい』男性と

    • 2019年12月17日
  • (1)胆振東部地震の余震 2月に厚真町で震度6弱観測、公共交通に大きな影響
    (1)胆振東部地震の余震 2月に厚真町で震度6弱観測、公共交通に大きな影響

       夜の団らんの時間帯だった。誰もがいつものように過ごしていた時、再び大地が揺れた。2月21日午後9時22分ごろに起きた地震は厚真町で震度6弱を観測。昨年9月6日に起きた胆振東部地震の余震としては最も大きい規模となった。  気象庁によると震源は胆振地方中東部で、震源の深さは33キロ、地震の規模(

    • 2019年12月16日
  • ▶1 サケ釣りの異変  苫小牧港にも南海の魚  上昇する海水温
    ▶1 サケ釣りの異変 苫小牧港にも南海の魚 上昇する海水温

       胆振地方の海岸は、毎年8月中旬からサケ釣りのシーズンを迎える。釣り倶楽部面の記者である私は、例年海岸を巡り釣り人がサケを上げるシーンを取材してきたのだが、2~3年前から様子が変化してきた。サケが釣れていないのだ。  近年、伝えられる秋サケの資源減少は、漁業関係者のみならず釣り人をも直撃してい

    • 2019年12月16日
  • キルト・ポエムとまこまい代表・三澤洋子さん(79) ぬくもりのおもちゃ子どもたちへ届ける
    キルト・ポエムとまこまい代表・三澤洋子さん(79) ぬくもりのおもちゃ子どもたちへ届ける

       苫小牧市内の保育園に作品を贈り続けるボランティアサークル「キルト・ポエムとまこまい」の代表を務める苫小牧市春日町の三澤洋子さん(79)。ぬくもりのある手作りのおもちゃを子どもたちに届けたい―と制作したキルト作品を年に一度、市内の保育園に寄贈している。「子どもたちが喜ぶ姿を見ると、また頑張って制作し

    • 2019年12月14日
  • 12月の強い冷え込み 18年ぶり支笏湖全面結氷の予感?
    12月の強い冷え込み 18年ぶり支笏湖全面結氷の予感?

       毎年12月になると気温の変化が気になり始めます。冬ということもありますが、過去の気象データを見ると支笏湖全面結氷の前触れともいえる強い冷え込みが12月から始まっているからです。  さまざまな文献や記録に出てくる支笏湖の全面結氷は、最も古い1910(明治43)年から2001(平成13)年までの

    • 2019年12月13日
  • 介護付有料老人ホーム セントラル表町 機能訓練や音楽療法に力
    介護付有料老人ホーム セントラル表町 機能訓練や音楽療法に力

       JR苫小牧駅隣のふれんどビル内にある介護付き有料老人ホームセントラル表町。「高齢者複合施設3」の8~12階部分に位置し、社会福祉法人ふれんどが運営している。  認知症の人も安心して暮らしてもらえるよう、8階は認知症対応フロアとしてスタッフを手厚く配置。9階以上は自立した生活を送っている人や、

    • 2019年12月9日
  • (4)求められる新戦略 国際リゾート 構想の見直しは不可避、地域づくりに市民参加を
    (4)求められる新戦略 国際リゾート 構想の見直しは不可避、地域づくりに市民参加を

       苫小牧市が長年取り組んできたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致が、鈴木直道知事の見送り判断で突然立ち消えになって約1週間。5日に開会した市議会定例会の一般質問では、複数の市議がIR関連で今後の市の姿勢をただしたが、見送りの影響は大きく、新たな成長戦略を描く難しさが印象付けられた。

    • 2019年12月7日
  • 野球チーム「オールスターMI」のオーナー 岩﨑美江子さん (90)”MI”の字に栄冠託す オーナーとして強豪チーム支える
    野球チーム「オールスターMI」のオーナー 岩﨑美江子さん (90)”MI”の字に栄冠託す オーナーとして強豪チーム支える

       苫小牧市内の朝野球強豪チーム「オールスターMI」のオーナーを務める岩﨑美江子さん(90)。10年以上にわたり、朝野球のビックタイトルにもなっている苫小牧民報社など主催の大鷲旗や苫小牧商工会議所会頭杯で幾度となく栄冠を勝ち取っている強豪チームの「個人オーナー」としてチームを支えている。90歳を迎えて

    • 2019年12月7日
  • (3)悔しさにじむ経済界 10年超の活動実らず、苫小牧は誘致を継続
    (3)悔しさにじむ経済界 10年超の活動実らず、苫小牧は誘致を継続

       「まさか誘致を見送るとは」。鈴木直道知事が11月29日の道議会でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致見送りを表明した言葉に、苫小牧統合型リゾート推進協議会の藤田博章会長は驚きを隠さなかった。  4月の知事選では自民党の支持母体である北海道商工会議所連合会など道内経済4団体が全面的に応

    • 2019年12月6日
  • シンポとオオジシギ個体調査 ───「2019年の2大ニュース」───
    シンポとオオジシギ個体調査 ───「2019年の2大ニュース」───

       水鳥でにぎわう季節が過ぎたウトナイ湖では、繁殖地のロシアから越冬のため北海道に渡ってきたオオワシが11月14日に確認され、冬の訪れを感じます。  さて、2019年も残すところ1カ月。ここで、私が独自に選んだ今年ならではの2大ニュースをご紹介します。  (1)シンポジウム「柳生博と学ぶ勇

    • 2019年12月6日
  • (2)無念の苫小牧市 読めなかった道の考え、岩倉市長「やれることやった」
    (2)無念の苫小牧市 読めなかった道の考え、岩倉市長「やれることやった」

       「ただただ残念だ」。苫小牧市の岩倉博文市長は5日朝、再び無念さを口にした。  カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐり、鈴木直道知事が2021年7月までとされる国への区域認定申請を見送る方針を明らかにしたのは11月29日。岩倉市長は当日の朝まで、知事がどのように表現するか、知らされない

    • 2019年12月5日
  • (1)迷走した道と道議会 知事と自民会派「主体性」示せず、環境問題が追い打ち
    (1)迷走した道と道議会 知事と自民会派「主体性」示せず、環境問題が追い打ち

       10月14日。鈴木直道知事が札幌市中央区の公邸から、近くのマンションに引っ越した日だった。苫小牧市の岩倉博文市長の携帯電話が鳴った。「私も自民党道連の推薦を受け、政策協定を結んで当選した候補です…」「誘致に立候補するだけでなく、三つ(全国から3カ所認定)の中に入るのが重要です&hel

    • 2019年12月4日
  • 道産食品を世界に、北海道ブランド生かしPR
    道産食品を世界に、北海道ブランド生かしPR

       首都クアラルンプールのホテルには、地元から約60人の港湾・物流の関係者が集まっていた。ポートセールスの目玉である苫小牧港利用促進協議会主催の「苫小牧港セミナー」。会長を務める岩倉博文苫小牧市長は「新たな交流関係を築く絶好のチャンス」と互恵関係の構築に向け、出席者に力強く呼び掛けた。  苫小牧

    • 2019年12月3日
  • 増える日本食品の輸出、小口混載の利用アピール
    増える日本食品の輸出、小口混載の利用アピール

       マレーシアのクアラルンプール空港。北海道から経由便を含め約10時間の移動を終え、降り立った地は熱気に包まれていた。バスから見えるハイウエー沿いの首都のまちは高層ビルが林立。あちこちで建設中の建物が並び、急速に発展している様子が感じ取れる。  マレー半島に位置する日本とほぼ同じ面積のマレーシア

    • 2019年12月2日
  • (6) コタンコイカ 東は神の住む世界 コタンに祈りの場
    (6) コタンコイカ 東は神の住む世界 コタンに祈りの場

       人類にとって、太陽はなくてはならない存在です。そのため、人類の多くは太陽を神、もしくはそれに近いものとして、信仰の対象としてきました。そのことは、世界中の民話からもうかがい知ることができます。  アイヌ文化でも、太陽は偉い神様としてあがめられました。人びとを暖め、生活に必要なものの多くを作り

    • 2019年12月2日
  • 小学校の出前授業11年目 出会った子ども1万人超
    小学校の出前授業11年目 出会った子ども1万人超

       もしもかなうなら、この地域のすべての子どもたちに、ウトナイのこと、そして野生動物たちのことを伝えたい―。その想いで始まった小学校への出前授業も早いもので11年目を迎え、ついに先週、その受講児童数が1万人を超えました。  2007年春、それまで小動物の臨床獣医師だった私は心機一転、ウトナイ湖野

    • 2019年11月27日
  • サービス付き高齢者向け住宅 いちい 孤立予防へ交流活発に
    サービス付き高齢者向け住宅 いちい 孤立予防へ交流活発に

       札幌市に本社を置く日総ふれあいケアサービスが運営するサービス付き高齢者向け住宅「いちい」は鉄筋コンクリート造4階建てで、全室1人部屋だ。定員は32人。  従来の暮らしをできる限り継続し、自分のペースで安心して生活を送ってもらおうと個室には浴室やトイレ、台所を完備。希望者は電磁調理器を使用し、

    • 2019年11月25日
  • スキューバダイビングのインストラクター 辻 冨雄さん (75) 安全第一 無事故が誇り 指導歴40年以上
    スキューバダイビングのインストラクター 辻 冨雄さん (75) 安全第一 無事故が誇り 指導歴40年以上

       スキューバダイビングのインストラクターを40年以上務めてきた苫小牧市明徳町の辻冨雄さん(75)。日本のスキューバダイビングの黎明(れいめい)期からの愛好者で、これまでに教えたダイバーは約230人に達する。長年の指導の実績なども評価され、スキューバダイビングの世界的な教育機関PADIから表彰を受けた

    • 2019年11月23日
  • 〈10〉 「白老の未来の景色、新しい伝統を共創する」
    〈10〉 「白老の未来の景色、新しい伝統を共創する」

       町の魅力発信や着地型観光メニュー、移住定住政策や教育福祉の振興、アイヌ文化の理解普及、空き店舗対策、地域コミュニティーの再生、集落対策や関係人口の拡大―。そうした課題への打開策に多くの市町村が悩みを抱えている。それらは、文化活動が得意とする課題だと私は考える。どれをとっても人の心を動かすことが大切

    • 2019年11月22日
  • (下)包囲網狭める経済界 知事の表明秒読み段階、苫市議会にさらなる「同意」
    (下)包囲網狭める経済界 知事の表明秒読み段階、苫市議会にさらなる「同意」

       10月28日午後10時半過ぎ、苫小牧市議会臨時会が9時間半に及ぶ異例の審議を終えて閉会した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の環境影響調査費を計上した補正予算案と、議員提案によるIR誘致推進の決議案の2件を審議。どちらも賛成多数で可決されたが、終了後に岩倉博文市長は取り囲んだ報道陣に対して「

    • 2019年11月21日
  • (中)市民に根強い懸念  環境変化に神経とがらせ、 反対署名に2万筆
    (中)市民に根強い懸念  環境変化に神経とがらせ、 反対署名に2万筆

       「カジノで北海道のイメージが悪くなる」「治安や教育環境の悪化も心配」―。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)に対し、抵抗感を示す苫小牧市民は多い。誘致に前向きな市の姿勢に反し、2014年に市民活動団体「カジノ(賭博場)誘致に反対する苫小牧市民の会」が発足。市に出した誘致反対の署名は10月までに計

    • 2019年11月20日
  • (上)誘致に挑む苫小牧市,未来の税収増へ責任かけ
    (上)誘致に挑む苫小牧市,未来の税収増へ責任かけ

       「費やした税金を無駄にした場合には、わたしの責任において処置をしたい」―。10月28日の苫小牧市議会臨時会。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致などに失敗した場合の対応を市議に問われ、岩倉博文市長はこう答えた。トップの責任を改めて認め、自らの進退をにおわす発言までした。  苫小牧市が

    • 2019年11月19日
  • (5) クスンコタン 川を渡った所に集落 ブウベツ流域を糧に
    (5) クスンコタン 川を渡った所に集落 ブウベツ流域を糧に

       白老町の礎を築いたシラオイコタンの人びとは、幕末期には白老地区だけでも400人近くが住む大きなコタン(集落)を形成していました。今でこそ400人しか人が住んでいない町は、小さな町ですが、当時の北海道に点在したコタンとしては比較的大きなものでした。  ではなぜ、シラオイコタンが400人近くも住

    • 2019年11月18日
  • 苫小牧ソフトテニス連盟会長 小玉孝幸さん(70) 勝利の達成感 何物にも替え難く
    苫小牧ソフトテニス連盟会長 小玉孝幸さん(70) 勝利の達成感 何物にも替え難く

       今年、創立60周年を迎えた苫小牧ソフトテニス連盟の会長を務める小玉孝幸さん(70)。10代の頃に始めたソフトテニスを50年以上続けてきた。「競技での達成感や悔しさは仕事にも生かせた」とソフトテニスの存在の大きさを語った。  苫小牧出身。高校卒業後、北海道教育大学札幌分校(現在の同大学札幌校)

    • 2019年11月16日
  • 住宅型有料老人ホーム くらしさ沼ノ端  季節に合わせたイベントも
    住宅型有料老人ホーム くらしさ沼ノ端  季節に合わせたイベントも

       今年6月に開所した、住宅型有料老人ホームくらしさ沼ノ端。札幌市に本社を置く「元気な介護」の運営で、同社が手掛けるグループホームに隣接している。  定員は10人。開所に合わせて、それぞれの自宅や入院先などから入居に至った人が多い。当初、新しい環境に戸惑っていた入居者もスタッフ一丸で居心地のいい

    • 2019年11月11日
  • 全国B型肝炎訴訟北海道原告団日胆ブロック世話人・佐藤マチ子さん(67)救済へ正しい理解広げたい
    全国B型肝炎訴訟北海道原告団日胆ブロック世話人・佐藤マチ子さん(67)救済へ正しい理解広げたい

       集団予防接種の注射器や針の使い回しなどが原因で感染が広がったB型肝炎の訴訟で、北海道原告団の日胆ブロック世話人を務めている。自身も患者として全国で開かれる会合に出席して知識を深め、苫小牧で講演や広報活動を行い、正しい理解を広げようと活動を続けている。  1952年、三石町(現・新ひだか町)で

    • 2019年11月9日
  • 雪の妖精シマエナガ ヘルパーの手を借り皆で子育て
    雪の妖精シマエナガ ヘルパーの手を借り皆で子育て

       支笏湖の紅葉が色鮮やかでにぎやかだった秋も終わり、今年も根雪になる前に、と冬囲いなどの冬支度が始まろうとしています。  そんな中、先日ビジターセンターの裏にシマエナガがやって来ました。シマエナガ(エナガ科)は、体重は8グラム、体長14センチほどです。エナガというくらいなので体長の半分は尻尾に

    • 2019年11月8日
  • 〈9〉 意志無き「多文化共生の実現」はいらない
    〈9〉 意志無き「多文化共生の実現」はいらない

       白老町は、民族共生象徴空間(ウポポイ)が開業する来春以降の文化政策について、いかなる方針を考えているのか。行政や町議会は地域資源を活用した各事業や町内周遊など地元の魅力発信にどれだけ具体的に施策を実行していくのだろう。  白老町の「ひとまちしごと創生総合戦略」の中に、「多文化共生社会の実現」

    • 2019年11月8日