• 思い出を胸に
    思い出を胸に

       「給食を用意してあるから、食べていってね!」―。  3年半ほど前、安平町の遠浅小学校のイベントを取材した際、当時の校長にそう声を掛けられた。その日は体育館で全校給食の時間があり、私の席も用意されていた。十数年ぶりの給食を味わいながら、見知らぬおじさんに興味津々の子どもたちと楽しい時間を過ごし

    • 2023年3月22日
  • 勇退校長 (4) 生徒と一緒に成長 苫小牧東中学校 五十嵐昭広さん
    勇退校長 (4) 生徒と一緒に成長 苫小牧東中学校 五十嵐昭広さん

       社会福祉法人や社会福祉協議会で9年間の勤務した後、一念発起して教員を志した。「民間で社会人経験を積んだ大人として子どもたちに見本を示し、福祉と教育をつなげられる教員を目指してきた」と話す。  留萌管内天塩町出身。東北福祉大学卒。教員人生は苫小牧啓明中学校から始まった。厚真町、白老町、苫小牧市

    • 2023年3月22日
  • 木工細工を続けて四半世紀 山野下(やまのした) 朝人(あさと)さん(77)
    木工細工を続けて四半世紀 山野下(やまのした) 朝人(あさと)さん(77)

       26年前に自宅を建てた時、余った端材で鳥の巣箱を作ったことをきっかけに木工細工を始めました。とにかく子どもの笑顔が見たいとの気持ちから、自分の孫から隣近所の子まで、生まれるたびに木馬をプレゼントしています。もう30台以上は手掛けたかな。  一番作ったのは「福を呼ぶ」に掛けた縁起物のフクロウで

    • 2023年3月20日
  • 侍と公家
    侍と公家

       野球の「世界一決定戦」であるWBCに列島が沸いている。本稿はイタリア戦を目前にした16日午前の執筆。「侍」にはローマの末裔(まつえい)たちを打ち負かし、参加20カ国の頂点に立ってほしいと願うばかりだが、こうした勝敗へのこだわりとは真逆ともいえる(スポーツの?)世界があることを最近になって知った。「

    • 2023年3月18日
  • 画家・山音水彩会創立顧問 木村 好さん(87) 
心揺さぶる風景描写  水彩画の表現追求 キャンバスと向き合い続ける
    画家・山音水彩会創立顧問 木村 好さん(87) 心揺さぶる風景描写 水彩画の表現追求 キャンバスと向き合い続ける

       新緑に包まれた北大苫小牧研究林、紅葉が映える支笏湖、厳寒の登別漁港、イタリアの美しいベネチアの街並み―。その土地土地で心が揺さぶられた風景をスケッチブックやカメラに残し、水彩画で表現する技を追求してきた。今年で米寿を迎える今も絵筆を握る。  日本が軍国主義へ突き進んだ昭和初期、渡島管内の尋常

    • 2023年3月18日
  • 寄り添いと諦めは似ている
辻川(つじかわ) 恵美(えみ)
    寄り添いと諦めは似ている 辻川(つじかわ) 恵美(えみ)

       「必要なのは寄り添い」「寄り添うことが大切」。私は寄り添いという言葉を多用している。そのくせ、具体的に説明したことも、深掘りしたこともないので、今回は私の思う寄り添いについて解説してみます。  ―寄り添いとは賢さと優しさの集合体である―  普段からこう考えているのですが、では何をするこ

    • 2023年3月18日
  • 衰弱オオコノハズク 自然へ帰る
建物内に迷い込み
    衰弱オオコノハズク 自然へ帰る 建物内に迷い込み

       1月下旬、1羽のオオコノハズク(フクロウ目フクロウ科)がウトナイ湖野生鳥獣保護センターに搬入されました。  このオオコノハズク、数日前から市内のとある店舗内に迷い込んでしまい、外へ出られなくなってしまったとのことでした。このように、野鳥が倉庫や車庫などの建物に迷い込んでしまう事例は時折発生し

    • 2023年3月17日
  • 勇退校長 (3) 運動の楽しさを子どもたちに 勇払中学校 渡部秀樹さん
    勇退校長 (3) 運動の楽しさを子どもたちに 勇払中学校 渡部秀樹さん

       運動の楽しさを子どもたちに伝えたいと、体育教諭の道を志した。校長になった今も、体育授業に参加したり、昼休みに生徒と一緒にバドミントンを楽しんだりしている。  室蘭市出身。北海道教育大学函館校卒。1986年度に後志管内島牧村の島牧原歌中学校に赴任し、教員人生が始まった。勇払中学校では2000年

    • 2023年3月17日
  • 4 脱炭素 相次ぐ先進的取り組み 中小企業からは戸惑いの声も
    4 脱炭素 相次ぐ先進的取り組み 中小企業からは戸惑いの声も

       苫小牧市やその周辺で、2050年のカーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)達成、脱炭素社会の実現に向けた動きが加速している。国による関連調査事業などが集中し、公募の採択を見据えた企業間連携も盛ん。12年度から展開している国の大規模プロジェクトで、二酸化炭素を分離、回収、貯蔵する「CCS

    • 2023年3月16日
  • 健康の大切さ
吉田(よしだ) 龍司(りゅうじ)
    健康の大切さ 吉田(よしだ) 龍司(りゅうじ)

       健康というものは、普段はあまり意識することはないが、体に異常が出てからでは遅いので、早期発見、早期治療のためにも定期的なチェックは欠かせない。  私の場合、定期健康診断とは別に、4年ほど前から年1回の内視鏡検査を受診している。というのも、最終的には問題はなかったが、胃バリウム検査の結果、「要

    • 2023年3月16日
  • 勇退校長 (2) マナーやルールを守る子に 拓進小学校 山形知憲さん
    勇退校長 (2) マナーやルールを守る子に 拓進小学校 山形知憲さん

       毎朝、学校の前に立って児童らとあいさつを交わし、見守り続けてきた。「子どもたちが将来、社会で活躍できるよう、基本となるあいさつなどのマナーの大切さを教えてきた」と語る。  小樽市出身。北海道教育大学函館校卒。1987年度に教員人生をスタートさせ、初任校は厚真軽舞小学校。その後、胆振・日高管内

    • 2023年3月16日
  • 3 津波ハザードマップ 避難ビル拡大で道と温度差 
浸水域想定1.3倍 市は柔軟に指定
    3 津波ハザードマップ 避難ビル拡大で道と温度差 浸水域想定1.3倍 市は柔軟に指定

       「避難の基準が道と市で違うのはあり得ない」―。9日に開かれた苫小牧市議会の特別委員会で、市の津波ハザードマップをめぐり、質問した市議が語気を強めた。2021年7月に道が公表した新しい津波浸水想定を受け、市が約2年間にわたって改訂作業を進めてきた新マップ。この日はその内容が説明されたが、一部で道と市

    • 2023年3月15日
  • スポーツの力
    スポーツの力

       いつの時代も多くのドラマを生み出してきたスポーツ。各競技で選手たちは、コロナ禍を吹き飛ばすような活躍を繰り広げている。  世界最強を決める野球の国際大会ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が8日、日本などを舞台に始まった。メジャーリーグで2021年のMVPに輝いた大谷翔平選手を含む日

    • 2023年3月15日
  • 勇退校長 (1) 豊川小学校 高城哲さん 「みんな一緒に」の学校づくり
    勇退校長 (1) 豊川小学校 高城哲さん 「みんな一緒に」の学校づくり

       「みんな一緒に」をキャッチフレーズに男子も女子も仲良く、学校生活が楽しいと思えるような学校づくりを目指してきた。  「時には失敗もしたが、反省を糧に次はもっとうまくやろうという思いで今まで続けてきた」と自身の歩みを振り返る。  室蘭市出身。北海道教育大学旭川校卒。苫小牧明倫中学校を振り

    • 2023年3月15日
  • 2 人口減・札幌一極集中  移住促進に力
受け入れ体制充実若者の働く場が大事 道内全体で発展目指す
    2 人口減・札幌一極集中 移住促進に力 受け入れ体制充実若者の働く場が大事 道内全体で発展目指す

       「苫小牧のことを知り、距離が縮まった」―。2022年12月に苫小牧市が初めて企画した「氷都とまこまい体感プログラム」で、小学生の保護者が満足そうに語った。東京や大阪などの児童4人が参加し、苫小牧の伝統的スポーツ・アイスホッケー(IH)を通して、市内の児童とも交流を深めた。  同事業は子どもた

    • 2023年3月14日
  • スポーツカー
押部(おしべ) 直樹(なおき)
    スポーツカー 押部(おしべ) 直樹(なおき)

       若い頃にお金をためて、ずっと欲しかったスポーツカーを買いました。そのスポーツカーは新型が発売されていたのですが、旧型の中古車を買いました。  2年後、友人が買った新型スポーツカーにサーキットで一気に引き離され、新型に載っているエンジンに載せ替えたいと思うようになり、車の解体屋さんで新型の事故

    • 2023年3月14日
  • (1) 経済・観光活性化 切れ目ない支援に期待
コロナ禍、価格高騰「夜のまち」に追い打ち
    (1) 経済・観光活性化 切れ目ない支援に期待 コロナ禍、価格高騰「夜のまち」に追い打ち

       「マスク着用が個人の判断となり、観光客はもっと増えてくる」―。苫小牧市港町の海の駅ぷらっとみなと市場の運営組合代表理事で、飲食店を営む上原正大さん(39)は期待する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたこの3年余り。厳しい経営環境を余儀なくされたが、2022年度は回復傾向で、「国内客は『コロナ

    • 2023年3月13日
  • 語り聞かせを日々練習 苫小牧市澄川町渡辺(わたなべ) 明美(あけみ)さん(65)
    語り聞かせを日々練習 苫小牧市澄川町渡辺(わたなべ) 明美(あけみ)さん(65)

       市民ボランティア団体「おはなしオルゴール」の代表を務め、昔話や物語を覚え、子どもたちに語り聞かせる「ストーリーテリング」を25年前から続けています。  これまでに60以上のお話を覚えて、図書館や保育園、小学校などで活動してきました。子どもたちを物語の世界に引き込むため、日々練習を重ねています

    • 2023年3月13日
  • 熊が白いのか
    熊が白いのか

       今年で95歳になる祖母は愛知県に1人で住んでいる。祖母と住んでいた、わたしの母は5年前に亡くなった。娘に先立たれた祖母は「さみしい」と言った。「戦争でみんな死んでったから慣れとるわ」とも言った。先日祖母宅に泊まった時、2人でゆっくりと話す機会があった。その日は祖母の補聴器の調子も良く、おかげさまで

    • 2023年3月11日
  • 生け花講師 田中 弘美さん(80) 華道で人生を豊かに 指導に熱 心落ち着けて自分と向き合う時間を大切に
    生け花講師 田中 弘美さん(80) 華道で人生を豊かに 指導に熱 心落ち着けて自分と向き合う時間を大切に

       家にお花が飾ってあったら、きれいだろうな―。そんな軽い気持ちで始めた生け花は、いつしか人生そのものとなった。華道を歩み続けて60年以上が過ぎた今、大切にしているのは次代を担う子どもたちへの伝承だ。「生け花の技術以上に、心を落ち着けて、自分の気持ちと静かに向き合う時間を持つことの大切さを伝えられれば

    • 2023年3月11日
  • 春の気配
木下(きのした) 知佳(ちか)
    春の気配 木下(きのした) 知佳(ちか)

       3月に入り、少しずつ春が近づいて来ているなと感じることが増えてきたように思う。  過酷で長い冬が終わるこの喜びは、北海道や雪の多い地域の方々にとっては特別なものに感じる。この開放感というか、ほっとした感覚は、生まれ育った大阪では絶対に感じることができない。  春の気配というのも、大阪と

    • 2023年3月11日
  • 千歳・支笏湖氷濤まつり 来場者数 大幅に回復
    千歳・支笏湖氷濤まつり 来場者数 大幅に回復

       支笏湖の象徴的な冬のイベント「千歳・支笏湖氷濤(とう)まつり」が盛況のうちに幕を閉じました。1月28日に始まったイベントは2月23日までの27日間にわたって開催され、延べ約10万3000人の来場を頂きました。新型コロナの感染が続いていた昨年の約5万5000人、一昨年の約3万8000人と比べると大幅

    • 2023年3月10日
  • 角 智琴さん(38)手工芸(リボン)
華やかな作品で親子に笑顔を
まちのクリエーター〈5〉
    角 智琴さん(38)手工芸(リボン) 華やかな作品で親子に笑顔を まちのクリエーター〈5〉

       「作品を通して笑顔になってもらいたい」と、かわいらしく華やかなリボンを生み出すハンドメード作家の角智琴さん。各地で開かれるマルシェに出店するほか、昨年9月にハンドメード教室をオープン。夏休み期間には小さなバッグやリースを作る子ども向けのワークショップ(WS)を開催するなど、活動の幅を広げている。

    • 2023年3月9日
  • 緊張と緩和 
藤沢(ふじさわ) レオ
    緊張と緩和 藤沢(ふじさわ) レオ

       作品を作る日々の中でも、3月は一年で一番の繁忙期です。それは年度内に納める作品が一気に集中するためで、年明けからは次々とやって来る締め切りを意識して制作を進めます。  新年度に自分の作品が飾られた空間で新しい春を迎えていただけることは、とてもうれしいものですから、張り切って完成図を考えます。

    • 2023年3月9日
  • 12年前
    12年前

       未曽有の大災害となった東日本大震災の発生から、11日で12年を迎える。一昨年3月11日、被災地の宮城県気仙沼市や同県石巻市の大川小学校を訪ねたことを思い出す。  気仙沼市で出会ったタクシー運転手から、「ここは海抜15メートルくらいあるけど、ここまで津波が来たよ」と当時の状況を聞き、災害の恐ろ

    • 2023年3月8日
  • 値上げ
桃井(ももい) 直樹(なおき)
    値上げ 桃井(ももい) 直樹(なおき)

       仕事の帰りに最寄りのスーパーに寄り、その日の晩ご飯や近日中に食べる食品を買うことが週に1、2回あります。ある程度の量を買いだめするのと違って、購入する量はさほど多くなく、籠の半分くらい。大体 どのくらいの金額になるのかを暗算しながらレジに向かいます。会計で自分が考えていた金額と誤差が少ないと、うれ

    • 2023年3月7日
  • 人の役に立ちたい 苫小牧市本町 坂(さか) とみさん(73)
    人の役に立ちたい 苫小牧市本町 坂(さか) とみさん(73)

       5年ぐらい前から、障害者の方がパソコン操作を習う団体でボランティアをしています。知人に誘われたことがきっかけで、月6回ほど、苫小牧市双葉町の施設で活動をしています。  最初は車いすの方の介助をしていましたが、2020年から続いている新型コロナウイルスの影響を受け、部屋の消毒作業を手伝うように

    • 2023年3月6日
  • 機内誌の役目
    機内誌の役目

       飛行機に乗ってシートベルトを締めると、まず手に取るのが機内誌という方も多いと思います。AIRDOは「rapora(ラポラ)」という機内誌を毎月発行しています。「ラポラ」とは、アイヌ語で「はばたく」を意味する「ラポラポ、ラポラポラ」が語源です。今年の3月で創刊から210号となりますが、今の機内誌のス

    • 2023年3月4日
  • 画家、ケア・サービス苫小牧社長 菊地 章子さん(83) 
美術の力で社会貢献を 教職から経営者に転身 心の健康づくりに力
    画家、ケア・サービス苫小牧社長 菊地 章子さん(83) 美術の力で社会貢献を 教職から経営者に転身 心の健康づくりに力

       美術が持つ力を社会に役立てる臨床美術士として活動に励む。その傍らで高齢者の居宅介護支援などを行う会社の社長を務め、80歳を過ぎた今も第一線で活躍している。  第2次世界大戦が始まった激動の1939年に札幌市で生まれた。父親の仕事ですぐに樺太(現サハリン)の恵須取町(えすとる)へ移り住み、ソビ

    • 2023年3月4日
  • 伝え方
田村(たむら) 直美(なおみ)
    伝え方 田村(たむら) 直美(なおみ)

       同じ話を100人が聞けば、受け止め方は100通り。自分が伝えたつもりでいても、伝わっていなかったことがありました。  伝える側は誰に対しても「自分の伝え方」で話しますが、そうすると、伝わることもあるけど、伝わっていないこともあります。そのことに気付いた時、伝え方を変えました。受け止める方の情

    • 2023年3月4日