• 能登正智展(下)
苫小牧近郊が舞台の版画集
    能登正智展(下) 苫小牧近郊が舞台の版画集

       能登正智の多彩な制作のうち、後年特に力を入れていたのが版画集の制作です。画に加えて文字も自刻自刷で、製本も自身で手掛けた丁寧な作りが魅力です。  王子製紙を定年退職後、道央佐藤病院で絵画による作業療法の活動に携わっていた能登は、かねて念願であった版画集作りに取り組むことを考え始めたといいます

    • 2023年3月3日
  • 朝焼けに飛び立つ数万羽のガン もうすぐ見頃
    朝焼けに飛び立つ数万羽のガン もうすぐ見頃

       3月のある日の午前5時ごろ、暗い時間からウトナイ湖の水面は数万羽のガン類でにぎわいます。その幾万の鳴き声が響く観察路を、レンジャーと調査ボランティアの方とで歩いていきます。目指すは湖を見渡せるイソシギのテラス。そこでカウント調査をするためです。  湖に近づくと、足元を照らすライトの光が湖を照

    • 2023年3月3日
  • 突然の不具合 
三上(みかみ) 剛(つよし)
    突然の不具合  三上(みかみ) 剛(つよし)

       昨年の秋、帰宅時に運転していると、車の異常を示す今まで見たことのない警告ランプが急に点灯した。すぐ道路脇に停車し、ダッシュボードに入れてあった自動車のマニュアルを引っ張り出して調べると、「至急近くのディーラーに連絡すること」と書かれていた。急きょディーラーに持ち込んで点検してもらった結果、深刻な不

    • 2023年3月2日
  • 能登正智展(中)
ガラス絵ならでは 多様な表現
    能登正智展(中) ガラス絵ならでは 多様な表現

       本展では、8点のガラス絵を展示しています。ガラス絵は、透明なガラスの裏面に直接絵の具を載せて描いた作品で、艶やかで宝石のような輝きを放ち、独特の魅力があります。一般的な絵画とは異なり、最初に描いた線や色が表面に見え、最後に載せた色が背面や奥行きを作り出します。  展示作品では、始めに色を載せ

    • 2023年3月1日
  • 高校受験 
    高校受験 

       先日、駒大苫小牧高校で合格発表があった。コロナ禍によって、ホームページでも結果が発表されることが今では日常。そうした中、学校正門に置かれた合格番号の掲示板を見詰める男子生徒がいたので、「なぜ見に来たの?」と尋ねてみたら、「受験といえば掲示板で確認するのが醍醐味(だいごみ)。他校はインターネットでの

    • 2023年3月1日
  • 1000年後の未来
関根(せきね) 久修(ひさのぶ)
    1000年後の未来 関根(せきね) 久修(ひさのぶ)

       人口減少に関しさまざまな議論があるが、そこで問題。「国立社会保障・人口問題研究所のレポートによると、2021年の総人口を基準に、同年並みの出生率・死亡率が今後も継続する場合(国際人口移動はゼロ)、西暦3000年の日本の将来人口は何人でしょう?」  参考までに、2022年12月の日本の総人口は

    • 2023年2月28日
  • 能登正智展(上)
 独特な色彩「能登ブルー」
    能登正智展(上) 独特な色彩「能登ブルー」

       苫小牧市美術博物館は3月12日まで、苫小牧を拠点に活動した画家能登正智(のとまさとし)氏(1922~2001年)の企画展を開いている。生誕100年を記念し、約130点を展示。太古の世界を想像力豊かに表現した油彩画や木版画、ガラス絵の力作を担当学芸員が3回にわたって解説する。      ◇

    • 2023年2月27日
  • デフサッカーは人生の一部 苫小牧市沼ノ端 石原(いしはら) 良(りょう)さん(48)
    デフサッカーは人生の一部 苫小牧市沼ノ端 石原(いしはら) 良(りょう)さん(48)

       苫小牧市勇払のトヨタ自動車北海道でトランスミッションの組み付けをしながら北海道ろう者サッカー協会(HDFA)の会長を務めています。  17歳でサッカーを始め、今ではデフサッカー(聴覚障害者がプレーするサッカー)が人生の一部になっています。1998年にHDFAに加入し、2022年4月からは会長

    • 2023年2月27日
  • 気軽に全世界へ
    気軽に全世界へ

       少し前の話になるが、今年の年賀状はなかなかおもしろかった。むかわ町穂別で働き始めたことを知った人たちからの賀状に、「実家に帰ったんですね」というひとことが書き添えられていたのだ。  私は札幌で生まれ、幼稚園に入る頃に家族と小樽に引っ越した。両親は他界したが、家はまだ小樽にある。穂別と小樽は1

    • 2023年2月25日
  • 私 
 辻川(つじかわ) 恵美(えみ)
    私  辻川(つじかわ) 恵美(えみ)

       「もしもし? あなたAさんのご家族? Aさんね、うちに借金してるんですよ。立て替えてもらえませんかねぇ」  ギャンブル依存症の父親を持った娘。長男を出産したばかりの20代前半の彼女に、父親が作った借金の取り立てが来た。両親はすでに離婚している。彼女はすぐさま0歳の息子を連れ、父親のいる静岡県

    • 2023年2月25日
  • 「海外旅行保険が使えない!」
    「海外旅行保険が使えない!」

       目下私のところに時ならぬ特殊詐欺事件のルフィやマニラのビクタン収容所がらみの原稿依頼が雑誌や新聞から相次いでいる。  余談になるがくり返し報道されているビクタン収容所内で、この私の著作がバイブル扱いされているというのだ。驚き桃の木だが、私はフィリピンを、特にマニラを舞台にした小説やノンフィク

    • 2023年2月24日
  • バラエティー豊かひな人形
    バラエティー豊かひな人形

       3月3日の桃の節句に向けて、苫小牧市内などではバラエティー豊かな「ひな人形」がお目見えし、市民を楽しませている。個性豊かなひな飾りを動画で紹介する。

    • 2023年2月24日
  • 清野直子さん ピアノ・ミュージックベル
自宅に教室 演奏で社会貢献も
まちのクリエーター〈4〉
    清野直子さん ピアノ・ミュージックベル 自宅に教室 演奏で社会貢献も まちのクリエーター〈4〉

       苫小牧市明野新町の自宅で開講するピアノ教室には保育士になる目標を持つ小中学生や、何か習い事を始めたい―と基礎から演奏を学ぶ高齢者など幅広い年齢層が通う。「音色で感情を表現できる」と、ピアノの魅力を語る清野さんは、福祉施設への訪問演奏や終戦記念日に市民会館で開かれる平和祈念式典の参列者献花で演奏する

    • 2023年2月23日
  • 大切なのは心配り
吉田(よしだ) 龍司(りゅうじ)
    大切なのは心配り 吉田(よしだ) 龍司(りゅうじ)

       マナーという言葉は、「その場面でしかるべきとされる行儀・作法」とあり、日常生活にも多くのマナーがある。  例えば、サウナ室は落ちた汗を拭き取ってから出る、水風呂は汗を流してから入るという注意書きがある。でも、誰かがやらないとマナーのつながりも途絶えてしまう。  おそらく多くの利用者は、

    • 2023年2月23日
  • マスク  記者コラム風
    マスク 記者コラム風

       先日、さっぽろ雪まつりを見に行った。会場は道内外や海外からの観光客でごった返しコロナ前の風景が戻りつつあると実感した。  ちょっと気になる場面も目にした。若い女性らがマスクを外し、笑い合ったりしていた。日常が戻ってきた光景と言えなくもないが、「人混みではまだ着けた方がいいのでは」と率直に思っ

    • 2023年2月22日
  • うちのお父さん ゆのみ 押部(おしべ) 直樹(なおき)
    うちのお父さん ゆのみ 押部(おしべ) 直樹(なおき)

       父もいい年なので、元気なうちにいろいろ話しておこうと考え、父とのことを思い出してみました。  若い頃の父は建築系の仕事をしていました。自分で作ることが好きな人で、僕が幼い頃には家の裏に離れを建てました。車いじりが大好きな僕が22歳の時、雨でも夜でも車をいじれるようにガレージを建てたいと相談す

    • 2023年2月21日
  • ◆下 ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦 脱炭素まちぐるみで 2カ年かけ事業展開
    ◆下 ゼロカーボン×ゼロごみ大作戦 脱炭素まちぐるみで 2カ年かけ事業展開

       苫小牧市が2050年に二酸化炭素(CO2)の実質排出量ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」になっていることを知っていますか―。  市が22年3~4月に市内在住の900世帯を無作為抽出して行った「家庭の燃料等の消費節約実態調査」(312世帯回答)の設問の一つだ。岩倉博文市長が21年8月に「ゼロカ

    • 2023年2月20日
  • 人々の暮らしを支えたい 苫小牧市ときわ町 宇野(うの) 慎太郎(しんたろう)さん(20)
    人々の暮らしを支えたい 苫小牧市ときわ町 宇野(うの) 慎太郎(しんたろう)さん(20)

       苫小牧工業高等専門学校創造工学科電気電子系の5年生です。  今年度は、電気工事西川組(苫小牧市矢代町)の社員の皆さんと新しい漏電検知器の開発と製作の研究に取り組みました。電子回路や制御装置のプログラミング開発は分からないことばかりで大変苦労しました。企業との共同研究も初めてで、機器の納期の締

    • 2023年2月20日
  • 懐かしい顔
    懐かしい顔

       ロシアのウクライナ侵攻から早一年になろうとしている。「戦後」の終焉(しゅうえん)を告げたこの暴挙のニュースに接するたびに、思い起こす顔がある。ロシア外相のセルゲイ・ラブロフだ。  O・J・シンプソン事件の逃亡劇に全米がくぎ付けとなった1994年6月16日。ちょうどその前日にニューヨークに赴任

    • 2023年2月18日
  • 「WEEDしらおい」コーチ兼投手 別府 信介さん(53)  
尽きることない 野球への情熱 「もう一度大舞台に」ストイックな現役左腕
    「WEEDしらおい」コーチ兼投手 別府 信介さん(53) 尽きることない 野球への情熱 「もう一度大舞台に」ストイックな現役左腕

       小学生から始めた野球は、53歳になった今でも現役。北海道での社会人野球でもまれながらストイックに野球と向き合ってきた左腕。「もう一度、日本選手権の舞台に立ちたい」と社会人野球ビッグ大会のマウンドを見据える。  1969年、「ON砲」と呼ばれた王貞治氏と長嶋茂雄氏が日本プロ野球界で活躍した時代

    • 2023年2月18日
  • 冬の北海道を楽しむ
 木下(きのした) 知佳(ちか)
    冬の北海道を楽しむ 木下(きのした) 知佳(ちか)

       北海道で過ごす冬は今回で3回目。最初の年は今まで運転したことのなかった冬道に慣れるために休みの日も運転していた。次の年は過去に例のないほどの大雪に見舞われ、できるだけ運転しないようにしていた。  3回目の冬ともなると、車の運転にもかなり慣れてきたと感じるが、やはりまだまだ不安だ。さらに歩くの

    • 2023年2月18日
  • ◆中 中心市街地活性化 再整備構想具現化へ エガオビル解体など課題山積
    ◆中 中心市街地活性化 再整備構想具現化へ エガオビル解体など課題山積

       中心市街地の活性化―。岩倉博文市長が17年前の1期目から重視する政策分野だ。5選を果たした昨年6月の市長選では「旧サンプラザビル(旧駅前プラザエガオ)問題の解決を図り、苫小牧駅を中心とした『まちなか』の価値と存在感を高め、人が集う機会を創出する」との公約を示した。  ビル運営会社の経営破綻で

    • 2023年2月17日
  • 羽根標本を展示 救命に至らなかった鳥たちに学ぶ
    羽根標本を展示 救命に至らなかった鳥たちに学ぶ

         このたび、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに羽根標本を展示することとなりました。羽根標本とは、鳥類の羽根に適切な処理を施し、長期保存を可能とした標本です。  当センターでは毎年多くの傷病鳥が搬入されますが、その半数近くの鳥類は残念ながら救命に至りません。そういった個体は死因究明のために解

    • 2023年2月17日
  • ◆上 予算編成 物価高影響し過去最大に 厳しさ増す財政事情
    ◆上 予算編成 物価高影響し過去最大に 厳しさ増す財政事情

       苫小牧市の2023年度一般会計予算案は824億3400万円で、22年度当初比3・3%伸び、記録の残る1981年度以降で過去最大となった。岩倉博文市長が昨年6月の市長選で5選を果たして以降、初の本格編成の新年度予算案が最大規模となったものの、積極予算とは言い難い。資材費や燃料費などの高騰で全体経費が

    • 2023年2月16日
  • さまざまな踊りに挑戦 苫小牧市船見町 鈴木(すずき) 節子(せつこ)さん(84)
    さまざまな踊りに挑戦 苫小牧市船見町 鈴木(すずき) 節子(せつこ)さん(84)

       苫小牧市船見町の老人会「千寿会」で踊りを教えています。船見町港北総合福祉会館で毎週木曜日に、会員と楽しく民謡や日本舞踊を踊っています。  所属していた塙民謡舞踊会が解散したため、同会や高齢者福祉センターのサークルにも参加し、技術を磨いています。  せっかくの人生なので楽しまないともった

    • 2023年2月13日
  • 雪が真っすぐ
    雪が真っすぐ

       わたしの初北海道は1995年ごろ。地元名古屋から乗った太平洋フェリーで苫小牧に降り立った。真冬の寒さは、名古屋の比ではなかった。港の吹きっさらしの風のおかげで、あっという間に身体の芯まで冷え切った。  その寒さすら、憧れの北海道だからだろう。興奮していた。子どもの頃、社会科の時間に地図で見て

    • 2023年2月11日
  • ファミリー居酒屋「河庄」先代店主 河崎 光典さん(80) 
白老の自然と人に支えられ 地域に愛された店 若夫婦に託す「応援生きがい」
    ファミリー居酒屋「河庄」先代店主 河崎 光典さん(80) 白老の自然と人に支えられ 地域に愛された店 若夫婦に託す「応援生きがい」

       森で自ら採った天然キノコの鍋料理を看板メニューに、町内外に多くのファンを持つ「ファミリー居酒屋・河庄」を長く営んできた。2020年に若手夫婦に店の経営を譲り、サポートに努めている。「白老の自然と人、家族に支えられてきた人生だった。これからは恩返し。地元の若者たちを応援することが生きがい」と目を輝か

    • 2023年2月11日
  • 普通って何? 
田村(たむら) 直美(なおみ)
    普通って何?  田村(たむら) 直美(なおみ)

       普通って何だろう? 人それぞれ普通の捉え方は違い、普通と普通じゃないの境界線は、とても曖昧な感じがします。  世の中には、普通じゃないことに苦しむ方がたくさんいます。それは普通じゃないことが、善悪で言うと悪になっているから。私の子どもが「世の中の普通」になじめなくて苦しんでいた頃、間近で見て

    • 2023年2月11日
  • ツルアジサイ ~冬の種子散布~
    ツルアジサイ ~冬の種子散布~

         写真は、雪の上にツルアジサイの花が枯れ落ちたもの(果序)です。気に掛けながら歩くと、森のあちこちに落ちています。なぜこの植物は冬の時期に果序を落とすのでしょうか。そこに意味はあるのでしょうか。  ツルアジサイの果序を幾つか拾ってビニール袋に入れて振ってみました。すると、1ミリほどの小さ

    • 2023年2月10日
  • 苫小牧市中学生主張発表大会(15) 努力賞 「自分を創る『学び』」 啓明中2年 伊藤 ひとみさん
    苫小牧市中学生主張発表大会(15) 努力賞 「自分を創る『学び』」 啓明中2年 伊藤 ひとみさん

       「今、学校で勉強していることなんて将来絶対、役に立たない」  「何のために勉強しているのだろう」  あなたはこのように思ったことがありますか。私は以前まで「学習は将来のためにある」と漠然とした考えしか持たずにひたすら言われたことだけをやってきました。ですが先日、道徳の授業で、そんな私の

    • 2023年2月10日