げんげん
- 2020年2月17日
スーパーの魚売り場で思わず足を止めた。煮魚を薦めるコーナーに、平仮名で「げんげん」の文字。パックの中身は筒切りされた魚が、でろでろとした粘液に漬かっていた。かわいいポップな看板とは裏腹に、なかなかのグロテスクぶり。1パック200円程度の安価だった。 苫小牧漁業協同組合女性部がとまこまいスケ
スーパーの魚売り場で思わず足を止めた。煮魚を薦めるコーナーに、平仮名で「げんげん」の文字。パックの中身は筒切りされた魚が、でろでろとした粘液に漬かっていた。かわいいポップな看板とは裏腹に、なかなかのグロテスクぶり。1パック200円程度の安価だった。 苫小牧漁業協同組合女性部がとまこまいスケ
大阪府警が、2019年に府内で確認した「孤独死」の実態を分析したそうだ。死後の経過日数など調査基準がまちまちで大規模な分析はないという。 調査によれば昨1年間に大阪府内で確認された、病院で亡くなるなどの「自然死」ではない1万2309の遺体のうち、誰にもみとられずに、死後2日以上たって発見さ
厳しい寒さの日曜の朝、数十年ぶりに苫小牧市の錦大沼公園を訪ねた。ワカサギ釣りの様子を見たかった。午前8時すぎの公園駐車場は既に車が数十台。木々の間を数分歩けば、解禁エリアを示すロープで仕切られた錦大沼の氷上だ。釣り人は100人ほど。ぱっと見て玄人と分かる単独の人もいれば、仲間や家族連れも多い。はし
9日に放送されたフジテレビ系(UHB)のアニメ「ちびまる子ちゃん」は、公衆電話で本当に3分間10円の通話が可能かを友達と確かめる話だった。時代設定は1970年代だが20年ほど前までは皆、出先からの電話用に10円玉やテレホンカードを常備しており、「懐かしい」などとSNS(インターネット交流サイト)で
雪の少なさに油断していたのだろう。立春の頃からの、冬将軍の最後のひとふんばりに体の芯まで震え上がった。きょうの寒さの緩みのうれしいこと。 老朽化で建物の断熱機能が低下したのか、体力の衰えか。室内にいるのに寒い。手や足がすっかり冷たくなったり、深夜に鼻や頬が冷たくて目が覚めたり。苫小牧の10
あれからそんなにたつのか―。今年は彼の生誕から80年、没後40年というメモリアルイヤーなのだそうだ。雑誌「pen」で組まれた特集記事を読んで、ジョン・レノンが凶弾に倒れた1980年のあの日のことを思い浮かべた。世界に衝撃が走り、テレビではベン・E・キングの名曲「スタンド・バイ・ミー」をカバーし熱唱
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの流行拡大による影響が日本経済にも出始めている。マスクや消毒剤の品薄はすでに医療現場にも及び、稼ぎ時だったはずの春節の観光需要は相次ぐツアーキャンセルで宿泊や観光バスなどを中心に大打撃の様相だ。中国工場の操業停止で日本企業の生産活動も停滞。大手調査会社の
首都圏に住んでいる孫の写真が届いた。頭には、新聞紙で厚く折った防災頭巾。気に入ったらしく幼稚園の防災訓練の後も、かぶって帰宅したそうだ。 自分は大地震も巨大津波も、避難訓練という言葉も知らずに育った。阪神淡路大震災や東日本大震災の映像をテレビで何度も見て育った孫たちとは、天災や防災との距離
就職したのは1980(昭和55)年、25歳になる年だった。それからの40年間、毎月毎月受け取ってきた給料の明細書。特に理由はないけれど、ほぼ全てを保存している。押し入れから引っ張り出して、眺めてみた。 様式は40年間で随分変わった。勤め始めてからの数年間、明細書は手書きの文字をカーボン紙で
14日のバレンタインデーに向けて、多種多様なチョコレートが世に出回っている。 記者が物色するのはもっぱらご褒美チョコで、注目しているのはピンク色でベリー風味のルビーチョコ。本格的に商品販売が始まったのは今季らしく、かわいらしい色に加え、風味、甘さ、舌触りが既存のチョコとは全く違う―と聞き、
人口10万人当たりのがん死亡者数(がん死亡率)が新聞で報道されていた。北海道は、47都道府県では最も死亡率の高い青森県に次いで2番目だった。 国立がん研究センターが集計した。2018年の全国平均は71・6。北海道は、1位青森県の91・1より約10ポイント少ないものの、全国平均よりは10ポイ
転勤があり、配属先の職場が変わった。毎日見詰めるパソコンの新型モニターを受領し、デスクトップの背景写真を変えた。以前は昼の空に浮かぶ三日月手前を通過する飛行機だった。 前任地の千歳で撮影してきた写真から選んでいた一枚をこの際、支笏湖にしてみた。温泉街の岸辺から湖面を入れ、雪に覆われた樽前山
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で植松聖被告が45人を殺傷した事件は、横浜地裁で公判が続いている。5日は被害者参加制度を利用して、被害者の家族が被告に直接質問する予定だという。地裁の決定で、被害者の名前は法廷でも明らかにされていない。殺人、殺人未遂、それ以外の被害者をそれぞれ甲、乙、丙に分
道内の公立高校の当初出願状況が先日、発表された。全日制課程の倍率は0・98倍。1倍を割り込んだのは初めてのことだという。これも少子化の波。 新聞の一覧表を見て、自分の卒業した山あいの高校の倍率を確かめた。小さな数字に、少子化や高齢化、転出超過の見本のような故郷の現況を改めて教えられた。
あまりの暑さでカラスが空から落ちてきた。縄文人の墓の発掘現場でピカピカ光る漆塗り副葬品がどっさり出てきた。もう20年たつけれど、千歳民報恵庭支局の勤務時代、記事にしたあれこれをふと思い出す。 恵庭市商工会議所に同行し、ニュージーランドを旅したのも懐かしい記憶だ。国際交流先を求めて候補市を駆
あすをもって「千歳民報」が休刊する。当方は千歳で2年半、恵庭で6年半、勤務した。昨年10月に苫小牧に異動し、最後の号に携われない身だが、特に恵庭での思い出を通して、地域への感謝やおわびの気持ちを、記者個人として伝えたい。 千歳民報が創刊50年を迎えた2013年、恵庭の記事を一つの面に集約す
中国・武漢で始まった新型コロナウイルス感染。患者数は日本や欧米も含め猛烈な勢いで拡大し日本政府はきのう、強制入院や就業制限も可能な指定感染症に指定、制圧に乗り出した。 帰国を希望する在留邦人のために政府が用意した飛行機の第1便が、きょう午前、羽田空港に到着した。人口1千万人以上の武漢市では
記者の仕事をしていると、首長らと折々の課題で個別に意見を交わしたり、雑談したりする機会がある。懇意になる人もいれば、記事を通して図らずも天敵のようになった人もいた。コラム子は平成の大合併の時期に胆振東部各町を担当し、大きな決断に向き合った人たちと率直なやりとりができた。誠実な政治家の責任感と自負心
先日、苫小牧民報の読者投稿欄に小学校低学年とみられる子どもたちの集団と道で擦れ違った際、次々と元気な声であいさつをされ、感激したという70代男性のエピソードが載っていた。男性も大きな声で「こんにちは」と返したという。ほほ笑ましい話だ。きっと、何かスポーツに励む子どもたちだろう。自身も以前、休日に家
コンビニエンスストアという小型の店舗が日本で初めて東京に開店したのは、今から46年前のことだという。以降、全国津々浦々に店を増やしてきた。 食料品から文具、一部衣料品までの豊富な品ぞろえ。トイレがあり、コピー機が置いてあり、宅配便の取り次ぎ、公共料金や航空チケット代金の受領など機能を書き上
喜多條忠さんが詞を書き、吉田拓郎さんが作曲した「風の街」という歌がある。こんな詞だ。〈懐かしすぎる友達や 人に言えない悲しみすら 風がはこんでしまう街〉。1970年代の東京・原宿。まだ中高生が押し寄せる以前の、落ち着いた雰囲気の表参道辺りが題材。あの頃の風景を思い出し、とても懐かしい。 人
近未来の車が並ぶ景色は壮観だった。今月17日から3日間、国内外の自動車メーカーや関連企業がブースを並べた札幌モーターショー2020。最終日に多くの人で混雑する中、各ブースを歩いた。関心が集まったのは自動運転車。運転席もなく小さな部屋のようなスペースにいるだけで、目的地に運んでくれるという。次世代モ
ゲームに時間を浪費し勉学がおろそかになる、いじめの道具になることもある―など、子どものスマートフォン使用は、家庭にとっても難しい問題だ。 香川県議会が、子どものスマホなどの使用時間を制限する条例の素案をまとめたそうだ。報道によると、名称は「県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」。依存症を
英国の化学者、物理学者マイケル・ファラデー(1791~1867年)の6回連続のクリスマス講演をまとめた「ロウソクの科学」という本がある。昨年秋から話題になっていて、最近訪れた書店でも文庫や関連本をまとめたコーナーを設けていた。 ファラデーは、貧しいかじ屋一家の子として生まれた。幼い頃から家
先日、お菓子を買おうと手に取ると、賞味期限の表記が今までの年月日から年と月だけになっていた。おいしく食べられる期限なので、これを少々過ぎても食べられるが、日にちの近い品は購入されにくく、売れ残ると食品ロスになるからだろう。 食品ロスは、まだ食べられるのに捨てられる食べ物。賞味期限を過ぎた家
収賄で逮捕されたり夫婦そろって公選法違反容疑で捜査の対象になったり、問題議員が多くて目立たなかったが、失言のご本家がまた問題発言をした。 麻生太郎副総理兼財務大臣が、日本は「長きにわたって一つの民族が続いている」と単一民族論を披露して、翌日におわびする騒動を引き起こした。2005年にも同趣
〈情報=ある物事について、人に伝えられる知らせ。文字や音、映像など、さまざまな手段で伝えられます〉。当世小学5年生の社会科教科書にある。 この中で、われわれ報道機関の仕事が「情報を伝える人々」として項目化され、児童が学習していることを最近知った。テレビ、ラジオ、インターネットに加えて新聞が
目の前にオオハクチョウがやってきた。昨年末の最後の日曜日、ウトナイ湖へ出掛けた。最初は遠くにたたずむ姿が小さく見えるだけだった。とりあえず道の駅で暖を取っていたら、近づいてくるのが窓から見えた。建物を飛び出し湖岸へ。手が届く近さで、湖底をつつくオオハクチョウの姿を眺めることができた。 年明
医療関係者や認知症という病気に関わったことのある方なら「長谷川式」という言葉をご存知のはず。認知症研究者の名前を冠した判定方法の名称だ。 その長谷川和夫さん(90)が認知症患者として闘病している様子が先日、NHK総合テレビで放送された。「認知症の第一人者が認知症に 葛藤と希望と 一年間の感
まちのサポーターという言葉が当てはまるだろうか。定住はしないけれど、特定の市町村と継続的に関わる「関係人口」が地域活性化策のキーワードとして注目され始めた。土地に根を下ろす人と、観光に来た人の中間に位置するような立場。何かのきっかけで愛着を持ったまちへボランティアやイベントの手伝いで定期的に訪れた