胆振総合振興局は24日、むかわ町の子ども食堂「むかわのこども食堂」にソウハチガレイを提供した。胆振管内で水揚げ量の多い地場産水産物の魅力を発信するためで、同食堂代表の北川飛鳥さん(41)と利用する子どもらで、町内の四季の館でフライに調理し、弁当として利用者に振る舞った。
地場産水産物の提供は2023年度に始め、24年度はこれまでに、むかわ町を含め、室蘭市にスケトウダラ、登別市にソウハチガレイを計36キロ提供した。12月に洞爺湖町と登別市、25年1月に伊達市に提供を予定している。
「むかわのこども食堂」では21年4月から月1回、子ども食堂を四季の館などで開き、地域の子どもの居場所づくり、弁当の提供、協力企業・団体からの寄贈物品の無料配布を行っている。この日は、下処理されて届けられた切り身に、北川代表や子どもらで衣を付けて揚げ、フライにした。他の総菜も加えてプラスチック容器に詰め、約50食分の弁当を用意した。
24日正午すぎ、地域住民が次々に訪れ、弁当を受け取った。町福住の保育園児、岡松晃平さん(5)は「魚が好きだけど、ソウハチガレイのフライは食べたことがないので楽しみ」と弁当を持ち帰った。食堂内で弁当を食べた町生田の鵡川中央小学校3年、鎌田崇生さん(9)は「ふわふわしていておいしかった」と笑顔を見せた。
北川さんは「食材の価格が高騰する中、振興局からの提供は大変ありがたい」と話した。
同振興局は15年度から独自事業として、新たな食べ方の提案などをして地場産水産物の消費拡大に取り組む。カレイ類の水揚げ量(22年度)は2003トンあるが、ホッキ貝やホタテなどに比べ、知名度が低いという。同振興局水産課は「地域住民に地元の水産物を食べてもらい、おいしさや魅力を再認識してほしい」としている。