白老町白翔中学校(穴田博樹校長)の1年生が、観光をテーマにした総合学習で町の観光ガイドブック「ぶらり! しらおいめぐり」を作製した。生徒が地元住民の目線で魅力ある店や場所を取材し、まとめた内容を冊子にした。今後、町内の店舗や公共施設など各所に置き、観光客や町民に活用してもらう。
白老町では、7月にアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)が開業し、それに伴い、今年度上期(4~9月)の観光客入り込み数が前年度を上回るなど経済波及効果も生まれている。町は観光をまちづくりの重要な柱に位置づけ、推進している。
こうした中で白翔中は今年度、1年生の郷土学習のテーマを「観光教育×地域学習」とし、10月から「地元目線の観光ガイドブック」作りを進めた。
生徒28人がグループに分かれて、観光資源となり得る店や場所の30カ所を選定し取材。同校の神谷和宏教諭の指導を受けながら、各所のアピールポイントを記事にまとめ、写真も撮影して観光ガイドブックを仕上げた。
カラー印刷のガイドブックはA5判16ページ社台、白老、萩野、竹浦、虎杖浜の5地区にスポットを当て、それぞれの地域で営むカフェやレストラン、商店、温泉ホテルなどを紹介。湧き水がある虎杖浜の親水公園や庭園施設ナチュの森、竹浦のアーティスト活動拠点・飛生アートコミュニティー、ウポポイ、JR白老駅北の観光インフォメーションセンターなど魅力的な場所も載せた。
手書きのイラストや地図を収めたり、白老を舞台にした映画や小説を紹介したりと、観光客に町をアピールする工夫も凝らした。
生徒らは3日、体育館で行われた学習発表会で、完成したガイドブックをウポポイや町の職員、保護者らに披露。スクリーンを使い、取材先について紹介した。
製作に当たった東春音さん(13)は「観光客や町民に白老の良さを知ってもらいたいとの思いで取材しました」と話し、松浦美苑さん(13)も「記事の執筆に苦労したけれど、出来上がって良かった」と笑顔を見せた。穴田校長は「引き込まれるような素晴らしいものに仕上がった。取材、製作、発表という貴重な経験を今後に生かしてほしい」と期待した。
同校は今後、増刷して町内の公共施設や観光インフォメーションセンター、取材先の各店などに配布する。