アイヌ民族博物館でテーマ展 開業までの全容紹介 アイヌ語表示に込めた思い伝える  白老

アイヌ語による案内表示をテーマにしたパネル展

 白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)中核施設の国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)で、第3回テーマ展「ウアイヌコロ コタン アカラ 民族共生象徴空間(ウポポイ)のことばと歴史」が開かれている。ウポポイができるまでの経緯や開館準備の全容、アイヌ語を第1言語とする同館の案内表示に懸ける思いなどが余すところなく紹介されている。会期は来年2月12日まで。

   展示は3部構成。第1部「ポロトの歴史と、ウポポイができるまで」では、同町のアイヌ文化を紹介していた施設ポロトコタンの歴史や、同館の前身で現在は管理運営施設になっている旧アイヌ民族博物館の活動を年表、模型、ポスターなどで説明している。

   第2部「ウポポイのアイヌ語」では館内の案内表示に注目。「プラザ展示」「関係者以外立ち入り禁止」などの日本語を、アイヌ語で表現する方法を模索し検討を重ねてきた様子や、施設内の各所で見られるアイヌ語の案内の意味などをパネルや写真で解説している。

   第3部「博物館設立準備室での試み」では、北海道大学の一角に設置された博物館設立準備室の様子をそのまま再現。展示の工夫や床材、壁材などにもこだわった関係者の情熱が伝わる内容になっている。エピローグでは「ポロトコタン最後の一日」をテーマとした22分間の映像を紹介。所蔵資料計約60点を展示している。

   同館の担当学芸員は「ウポポイ開業の背景や、言葉一つ一つに込めた思い、意義を感じてもらえたら」と話している。

   18日午後1時45分から、同館2階でオープニングイベントを開催。24日午後1時半からは、同会場で佐々木館長のギャラリートークが行われる。来年1月15日午後1時半からは、文化庁アイヌ文化振興調査官の内田祐一氏によるトークイベントを予定している。いずれも観覧無料だが、ウポポイの入場料が必要。参加の申し込みは当日受け付ける(先着順)。

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