鵡川高校3年の岩倉アキラさん(19)が、グローカル総合入試(総合型選抜)で国立小樽商科大学に合格した。学校関係者によると、現役で国立大学に合格した同校の生徒は「10年以上は出ていない。スポーツ関係を除くとそれ以上さかのぼることになるのでは」と言う。
試験は英語検定などにおける一定以上のスコア、等級が求められ、志望理由や学修計画などをまとめた書類選考による第1次、英語でグループディスカッションを行う第2次に分けて実施された。
岩倉さんは、2年生までに英検の準1級を取得。学校生活では、地域の課題を掘り起こし解決策などを見いだす探究学習「むかわ学」で仲間とコスプレイベントを企画した。大学では、得意の英語に加えて「むかわ学でやってきたことを深め、自ら企画し、いろんな人と関わり、協力してイベントをつくり上げたい」と考え、同大学を志望した。
夏休みは公営塾に通って添削を受け、夏休み明けは秋田泰教諭の指導を仰いで、高校で取り組んできたこと、大学で描くビジョン、将来像などを壮大に学修計画にまとめた。秋田教諭は「提出はぎりぎりになったが、内容はどこに出しても恥ずかしくないものになった」と太鼓判を押したほど。続く第2次に向けては持ち前の英語力を生かしてファシリテートする(話し合いを円滑に進める)ことも想定し、時には外国語指導助手(ALT)の協力を得ながら準備を進めてきた。その成果もあり、率先して意見を述べただけでなく、発表をしていない受験者にも積極的に意見を求めるなどファシリテーターとしての役割を果たしたという。
昨年12月下旬に合格通知が届き、「うれしいけど、(学習に)ついていけるか不安」と本音をのぞかせる一方で、在学期間中に留学することも提出した計画に盛り込んでおり、「いろんな人と関わってつながりをつくりたい」と春から始まる学生生活に期待を抱く。「ビジネスパーソンとして北海道や故郷のフィリピンで活躍したい」と将来像を描いている。