来月6日、採決へ 陳情は議運で採択 町議会の自主解散求める決議案  白老

多くの町民が傍聴した議会運営委員会

 白老町議会は、25日に開いた議会運営委員会で、複数の町民から提出されていた町議会の自主解散を求める陳情を全会一致で採択した。陳情は、町民の負担軽減と事務費節減のため3月5日の町長選と同じ日程で町議選を行うよう求める内容。採択後には、小西秀延町議ら10人の町議が松田謙吾議長に自主解散するための決議案を提出した。決議案は2月6日の本会議で、全議員14人によって採決される。

   同委員会では、各会派の委員5人が陳情に対する意見を表明した。採択に合意したのは、いぶき(4人)、公明党(2人)、日本共産党(2人)。みらい(3人)は「十分に議論が尽くされていない」という意見が出たことを踏まえながらも採択とした。

   きずな(3人)は「同日選とする願意は理解するが4年後を見据えて議論を深めるべき」などとして「趣旨採択」とした。陳情に対する議会の意思決定は採択と不採択の2種類だが、陳情の願意に理解を示しつつも実現性に確信が持てない場合などに趣旨採択とすることがある。同会派の委員前田博之氏は「議員報酬や定数削減などと併せて議論すべき」「選挙までの準備期間が短く、新人議員の成り手不足に拍車が掛かる」「年度末の大事な時に政治の空白を生みかねない」と同日選に疑問を投げ掛けた。

   委員会の推移は町民ら15人が見守り、傍聴後は「議会の都合しか見えない」「町民の暮らしの現状に目を向けた議論を聞きたかった」などの声が聞かれた。

   陳情は採択となったが、拘束力はない。一方、地方議会の解散に関する特例法に基づくと、全町議14人中11人以上(全議員の4分の3以上)が出席する会議で、少なくとも12人(出席議員の5分の4以上)が同意すると自主解散が成立する。町議から松田議長宛てに提出された自主解散するための決議案は、10人の連名で提出された。

   自主解散の賛成者に名を連ねていないのは、会派みらいの及川保氏、貮又聖規氏、会派きずなの前田氏と松田議長の4人。このうち2人が6日の本会議の採決で同意すれば可決となる。ただ、町議会内では「現状で自主解散に至るのは厳しい」とみる向きもあり、行方は見通せない。

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