白老町のポロト自然休養林内の森を流れるウツナイ川上流部で、ナニワズが小さな黄色い花を咲かせた。春を代表する野の花の一つで、木漏れ日が揺れる地表近くで人知れずたたずむ。
ジンチョウゲ科の野草で、丈は15~50センチ。夏の終わりにつぼみを付けてそのまま越冬し、春の到来を待って咲く珍しい生態を持つ。アイヌ民族は、森を歩くと細い枝が足に引っ掛かることから「ケトハシ」(突っ張る木)と呼んだ。
ここ数日の暖気で一斉に開花し、見ごろは4月中。ゴールデンウイークを迎える頃にはミズバショウも森林内で見られそう。
付近に建つポロト湖ビジタセンターの職員は「森を訪れる町民にとって開花は楽しみの一つ。観賞時は足元に注意し、静かに見守って」と呼び掛ける。ヒグマの出没時期でもあることから、「細心の注意を払って」とも語る。