厚真町の浜厚真地区で風力発電施設の設置が計画される中、「むかわタンチョウ見守り隊」は30日、「厚真町にくらすタンチョウと自然について考える勉強会」を町総合福祉センターで開いた。町内やむかわ町、苫小牧市などから23人が参加。風力発電施設が自然環境に与える影響について、知識を深めた。
勉強会は4回目。日本野鳥の会の稲葉一将レンジャー(31)が「風力発電が自然や鳥類に与える影響について」、ネイチャー研究会inむかわの簑島祥子さん(66)が「浜厚真・厚真川のタンチョウの観察記録映像」のテーマで講演した。
稲葉レンジャーは、風力発電施設が鳥類に与える影響で懸念されることとして、回転するプロペラが鳥と衝突する「バードストライク」、個体数の減少、飛行の障壁になることなどを挙げ、「浜厚真地区は産業地域であるが、鳥類の生息地保護の観点から風力発電の建設地としては適地でないと考えている」と述べた。
簑島さんは、浜厚真地区や厚真川周辺でタンチョウやオオワシ、オジロワシなど貴重な鳥類の姿が確認されている状況を説明。「浜厚真に豊かな湿地があることを知ってもらいたい」と呼び掛けた。