成年後見制度に関心 養成講座受講者増える 胆振東部3町 「仕事に役立てたい」「知識得たい」

成年後見制度に関心 養成講座受講者増える 胆振東部3町 「仕事に役立てたい」「知識得たい」
むかわ町で行われた市民後見人養成講座

 胆振東部のむかわ、安平、厚真町で、成年後見制度への関心が高まっている。苫小牧市社会福祉協議会が運営するとまこまい成年後見支援センターが7日にむかわ町産業会館で開いた市民後見人養成講座には、3町から19人が出席。7月5日まで週1回、計5回の講座を受講し、認知症や障害などで支援が必要な人の権利を守るための知識を身に付けていく。

   同制度は、判断力が不十分な人に代わり、成年後見人が各種契約や財産管理、不利益な契約の取り消し、身上監護などを行う仕組み。成年後見人には親族や法律の専門家などの他、法律や制度を学んだ一般市民が役割を担う「市民後見人」がいる。

   同センターは2016年に苫小牧市成年後見支援センターとして開設され、22年に厚真、安平、むかわの3町も支援対象エリアにして現在の名称となった。同制度の利用相談に応じ、普及啓発の活動をしているほか、市民後見人養成講座を市内で定期的に開き、人材を養成している。22年は安平町、23年に厚真町でも開講し、各10~15人が受講した。

   同センターによると、今回を含め、3町で約50人が同養成講座の修了者となる見込み。希望して後見支援員となり、社協やNPO法人などが実施する事業で経験を積んだ人が、実際に市民後見人として活動する。

   むかわ町での講座の受講者は会社員や団体職員、町議など幅広い職種にわたり、受講動機も「仕事に役立てたい」「成年後見制度を利用したいと相談を受けた」などさまざま。初回講座では、苫小牧市の竹田美由紀弁護士らから同制度の概要説明を受け、「後見事務の記録の保管は、当事者が死亡後、相続人にすべて引き継ぐのか」「成年後見人が死亡した場合、どのような対応で新たな後見人が決まるのか」など積極的に質問していた。

   講座終了後、町生田の無職男性(79)は「妻が認知症なので施設を利用しているが、先々の対人関係やお金のことが心配。安心して世話できるよう法律的な知識を得たい」と切実な状況を話した。

   同センターの担当者は「周りで困っている方、成年後見制度について知りたい方は相談してほしい」と呼び掛けている。相談、問い合わせは同センター 電話0144(38)7291。

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