仙台藩白老元陣屋資料館 28日、開館40周年シンポ 全道から史跡保全の関係者など14人参加

ポスターを手にシンポジウム、基調講演への来場を呼び掛ける武永館長

 白老町の仙台藩白老元陣屋資料館(武永真館長)の開館40周年記念関連事業として、シンポジウム「全道陣屋跡の現状と課題~所在市町間における人と情報・史資料のネットワーク構築に向けて」が28日午後2時半から、町コミュニティセンターで開かれる。全道各地から史跡保全の関係者や博物館の学芸員が14人顔をそろえ、陣屋の果たした役割を再考するとともに、連携に向けて語り合う。

   白老町、町教育委員会主催。

   道内の陣屋は幕末期、東北諸藩が北方警備を目的に、約20カ所に置いた。現在は、遺構がほぼ失われていたり、関連資料の専用保管施設がなかったり、状況はさまざま。この中で国指定史跡、北海道遺産となり、資料館、専門職員、地域住民の支援団体を有する白老仙台藩陣屋跡は特徴的な存在となっている。

   シンポジウムでは、さまざまな条件をそろえる白老が、各地の陣屋関係者と互いに連携し、抱える課題や有する知見、人材、歴史資料などを共有する方法を模索。遺構を保存、継承していく機運を底上げするネットワークを構築する方向で話し合いを進める。

   パネリストの一人は北海道博物館の学芸員、三浦泰之さん(50)。シンポジウムに先立ち、午後1時から同会場で開く基調講演で講師を務め、「東北諸藩による幕末の蝦夷地警備」をテーマに、幕末期における東北諸藩の北方警備について語る。

   ほかに室蘭、函館、北斗、紋別、稚内、留萌の6市と、釧路管内厚岸、根室管内標津、オホーツク管内斜里、留萌管内増毛の4町の学芸員が登壇。さらに石狩市社会教育主事の菊地直人さん、十勝管内広尾町のヒロオの歴史を学ぶ会会長の原田脩さん、渡島管内森町文化財保護課係長の高橋毅さんが加わる。

   武永真館長は「陣屋跡のある自治体の関係者と結び付きを確かめ、協力し合える未来を創るシンポジウムにできたら」と意気込んでいる。

   無料で予約不要。当日直接会場へ。

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