安平町は、地域活性化やインバウンド(訪日客)誘致の移動手段として、自転車の利用促進に期待している。9月に台湾からサイクリングツアーの一行を受け入れたほか、12、13両日には瑞穂ダム周辺で開かれる自転車ロードレースの大会を後援する。
レースは「TOUR OF KAMUI(ツアーオブカムイ)2024安平大会」(実行委員会主催)。コースは12日のショート(32キロ)、13日のロング(75キロ)、両日参加の三つあり、計約80人がエントリー。タイムを競う競技ではなく、体力に合わせてサイクリングを楽しむ。22年に始まった。大会に協力するサイクリングフロンティア(札幌市)の石塚裕也代表は「安平町はすごく景色が良い。自動車も少なく、走りやすい場所が多い」と評価する。
9月6日には、台湾の企業経営者や役員ら19人が札幌圏を周遊するツアーの一環で安平町を訪れた。自転車で道の駅あびらD51(デゴイチ)ステーションを観光し、JR追分駅では及川秀一郎町長ら町職員が歓迎。一行は町の豊かな自然や広大な畑などの景色を自転車から眺め、到着地の空知管内由仁町へ向かった。
町は2023年に台南市安平(アンピン)区と友好交流協定も締結しており、町政策推進課は「台湾はメロンや鉄道が好きな人が多く、安平は新千歳空港にも近い。将来的にインバウンドのサイクリングツアーが増えれば」と期待を込める。
サイクリングフロンティアも道内各地でサイクリングツアーを企画しており、石塚代表は「台湾や香港、シンガポールからの参加が年々増えている。地元の方もスポーツとして楽しんでいる」と、自転車が地域にもたらす効果を指摘している。