上空から被災森林視察 厚真で植樹も 再生目指す「あしあとの会」

上空から被災森林視察 厚真で植樹も 再生目指す「あしあとの会」
厚真町で植樹を行う林野庁の小坂次長(中央)

 林野庁や道開発局、苫小牧広域森林組合などで構成する親睦団体「あしあとの会」(小坂利政会長)は11日、胆振東部地震で被災した森林の現地視察研修をむかわ、厚真両町で開催した。道や株式会社苫東など関係機関から29人が参加。ヘリコプターで上空から山林を観察し、森林再生に向けて情報を共有したほか、厚真町で植樹を行った。

   参加者は最初に、むかわ町産業会館で説明を受けた。道職員が胆振東部3町で4293ヘクタールの森林被害が発生したことや再生の現状、今後の取り組みについて話した後、同町の宮戸ヘリポートに移動。代表者がヘリコプターに搭乗し、山林のほか厚真ダムや日高幌内川周辺を上空から視察した。

   その後、厚真町幌内でカラマツとグイマツを交配したクリーンラーチ60本を植樹。日高幌内川の砂防せき堤や桜丘地区の土砂ダムなどを見学した。

   林野庁の小坂善太郎次長は「森林が至る所で崩壊し、どうなるのかという思いがあった。6年が経過して緑が戻りつつあり、皆さんの努力が形となった」と感想を述べた。一方で、なお再生途上にあることを強調し、「道や町と連携し、支援を継続したい」と気を引き締めた。

   道によると、被災した森林のうち約3500ヘクタールは自然回復を目指す。6年がたち、一部区域でカラマツを中心に天然更新が見られるが、植生回復が見られない区域も多いという。

   同会は地震からの復興に向け、国や自治体など関係機関の連携を深めようと2022年6月に発足。現地視察は同年10月にむかわ町、23年10月に安平町で行われ、今回で3回目。小坂会長は「これからも森林再生に向け活動を続けたい」と述べた。

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