北海道開発局は15日、むかわ町のむかわ温泉四季の館で「第1回鵡川・沙流川流域委員会」を開いた。学識経験者や道総合研究機構さけます・内水面試験場、平取アイヌ協会などから委員7人が出席。1級河川の鵡川と沙流川について、現行の河川整備計画を近年の気候変動などを踏まえて見直し、変更することを承認した。
河川法に基づき、河川管理者が河川整備計画案を作成する場合に学識経験者の意見を聴くための委員会。委員長に室蘭工業大学大学院工学研究科の中津川誠教授(河川工学)を選任した。委員会は鵡川水系と沙流川水系の現状や将来像について道開発局長に意見を述べ、同局が意見に基づき、変更案を作成する。
鵡川水系の河川整備計画は2009年2月に策定されたが、気候変動の影響などから24年3月に河川整備基本方針が見直しとなり、同計画も点検が必要となった。
この日は同局の担当者が鵡川と沙流川の現状と課題を説明。鵡川水系の課題として、▽過去に大雨や台風により何度も洪水が発生▽海岸浸食により干潟が減少し、渡り鳥の中継地としての機能が低下▽近年、短時間強雨が増加し、鵡川地区の市街地で水害リスクが高い―点などを挙げた。
委員からは「汀線が後退することで沿岸の水産資源に影響を及ぼすこともある。汀線の回復が重要になる」、「河川整備も理解しているが、川を中心に生きてきたアイヌ文化があることを共有していただきたい」などの意見が出された。
中津川委員長は「さまざまな意見を踏まえ、次回以降、具体的な目標設定や河川整備計画の原案について協議していく」と話した。