白老町のNPO法人お助けネット(中谷通恵代表)は16日、町中央公民館で安平町教育委員会の井内聖教育長を迎えた講演会を開いた。幼稚園や保育園の職員、教育関係者、保護者ら約60人が参加。昨年4月に開校した小中一貫の義務教育学校「早来学園」の取り組みや幼児教育に必要な理念、幼小連携の架け橋となる職員配置の必要性などに聞き入った。
井内教育長は冒頭、「学校は自分が世界と出合う場所」と説明。「自分」には子どもだけでなく保護者や地域住民も含まれるとし、「世界」は「海外という意味じゃなく自分が知らない専門の領域やまだ出合っていない分野だ」と語り掛けた。
早来学園は図書室や調理室など一部を地域住民に開放しており、「地域や社会課題をテーマにした学習で、子どもが主体となって社会に関わることを軸にした学校づくりになった」と紹介。「周りの人と上手にコミュニケーションする力や、ネガティブをポジティブに変換できる力、最後までやり抜こうとする力などの能力を伸ばす教育が大切だ」と訴えた。
また幼小連携の架け橋となる推進員の配置についても解説。「幼児期の学びに精通し、子どもたち一人ひとりの様子を知り、5歳児の発達を知る先生が6歳児を見ることで引き継ぎ時がクリアできる」と強調した。
井内教育長は1973年、旧追分町(現安平町)出身。北海学園大学を卒業後、道内の中学校に社会科教諭として着任。2005年に学校法人リズム学園(恵庭市)の職員となり、16年から20年まではやきた子ども園の園長を務めた。安平町地域プロジェクトマネジャーを経て24年5月2日付で現職。