登別市登別本町2の「知里幸恵 銀のしずく記念館」は12月20日まで、「2024新収蔵資料公開展」を2階展示コーナーで開いている。常設の資料約100点のほか、伝統楽器トンコリ(五弦琴)や写真、「アイヌ神謡集」韓国語訳本の3点を新たに加えた。
「アイヌ神謡集」は本来、音声で伝えられた神々の物語を幸恵がアイヌ民族として初めて文字にして出版した書籍。2024年9月までに35カ国語で翻訳されており、今月は中国で簡体字の詳訳本が出版されたという。同館を運営する知里森舎の松本徹理事長は「(詳訳本を)入手次第、展示資料に加えたい」と話している。またトンコリは札幌市在住の早坂賀道さん(59)が同館近くの森で間伐されたホオノキ材を使い制作したもので今年7月に寄贈された作品。写真は、八雲町木彫熊資料館で常設展示されたイタ(盆)で尾張徳川家19代当主の徳川義親が1924年3月に手掛けたもの。盆には、「銀のしずく」の神謡に当たるローマ字表記の文字が彫られており、松本理事長は「神謡集の発表が23年8月なので約7カ月で制作したことになる。どのような経緯で制作したか不明だが強い影響を受けたことは分かる」と話している。
同記念館は午前9時半~午後4時半(受け付けは同4時まで)。毎週日曜と火曜休館。入館料は大人500円、登別市民250円、友の会会員は無料。高校生200円、小中学生100円。問い合わせは同館 電話0143(83)5666。