保護フクロウ放鳥 「元気に生きて」 鳥獣保護監視員の堀さん 白老

保護フクロウ放鳥 「元気に生きて」 鳥獣保護監視員の堀さん  白老
自宅で保護したエゾフクロウと堀さん

 白老町萩野の鳥獣保護監視員、堀起與賜(きよし)さん(78)は22日、自宅で保護していたエゾフクロウを放鳥し、自然に返した。17日に町竹浦の宿泊施設敷地内で衰弱しているのが見つかり保護。シカ肉を与えて見守り、回復したと判断した。

   エゾフクロウは北海道、千島列島南部に生息するフクロウの亜種。堀さんなどによると、17日正午ごろ、宿泊施設関係者が木に引っ掛かっているフクロウを発見。段ボールに保護し、町に通報した。堀さんは道から委嘱された町内唯一の鳥獣保護監視員で、町からの要請を受けて駆け付けた。

   保護したエゾフクロウは体高30センチ、羽を広げると1メートルほどで、骨折やけがはなかったが、衰弱し、段ボールの中で動かなくなっていた。エゾフクロウは体内に蓄えた脂肪で1週間ほど飢えをしのぐことができるが、それ以降は栄養不足で衰弱するという。

   堀さんは猟友会にも所属しており、自宅で世話をしながら、手に入りやすいシカ肉を約2センチ角に切り、朝晩2回与えた。すると羽ばたきをするようになり、みるみる元気になったという。エゾフクロウは縄張り意識が強いため、堀さんは保護した町竹浦まで戻って放鳥した。

   今年はスズメやコムクドリのひなも保護した堀さんは「たまに帰って来てしまう鳥もいる。元気に生きていってほしい」と願っていた。

こんな記事も読まれています