白老港指定を検討 国の「特定利用空港・港湾」 来年4月めどに調整 白老町議会

白老港指定を検討 国の「特定利用空港・港湾」 来年4月めどに調整 白老町議会

 国は、災害などの有事に備えて自衛隊や海上保安庁の航空機や艦船が訓練などで利用できるように整備・拡充する「特定利用空港・港湾」に、白老町が管理する白老港(町石山)を新たに指定する検討に入っていることが23日までに分かった。指定されると、必要に応じ、港湾の岸壁整備や航路整備などが進められる。町が同日の町議会産業厚生常任委員会協議会で明らかにした。

   特定利用空港・港湾の指定は、防衛力の強化に向けて全国的に進められており、直近の8月時点では8空港20港湾が指定されている。このうち道内は苫小牧港、室蘭港のほか石狩湾新港、留萌港、釧路港の五つを指定済み。地方港湾の白老港の指定は全国でも珍しいとみられる。

   指定後は港湾管理者との間で「円滑な利用に関する枠組み」が設けられ、民間利用を中心にしつつ、艦船・航空機が円滑に使えるよう港湾の岸壁や航路を整備。利便性を確保し、機能が強化される。

   指定には港湾管理者である町の合意が必要となり、町によると、8日に国から正式な説明があり、17日付で協議開始の依頼文書を受けた。国は今年度末ごろの指定をめどに調整したい考えで、来年4月の関係閣僚会議で正式に決定する見通し。

   町の担当者は「港湾の整備促進につながれば」と期待する一方、「漁業者などの利用に支障のないようにしたい」と、国との今後の協議を慎重に進める姿勢だ。

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