地球温暖化考える 安平で環境フォーラム

地球温暖化考える 安平で環境フォーラム
参加者が地球温暖化について考えた「あびら環境フォーラムvol.3」

 安平町は25日、地球温暖化をテーマに「あびら環境フォーラムvol.3」を町早来大町の早来学園で開いた。上智大学地球環境学研究科の織朱實教授と朝日新聞の中山由美南極・北極専門記者の講演、2人に関係者1人を加えたトークセッションを行った。オンラインを含めて約60人が町内外から参加し、意見も述べて地球環境に関する知識を広げた。

   織教授は「地球温暖化問題、私たちに何ができるか?」と題して講演。地球の平均気温の上昇が産業革命前と比べて1・5度を超えると、10年に1度程度で起きている熱波や豪雨の発生が短期間に起こりやすくなるとし、「大きな影響を受けないよう、1・5度を絶対に超えないようにしなければならない」と危機感を表した。

   日本の温暖化対策は欧州より遅れていることを示し、「環境に配慮しない従来の産業政策にこだわると、日本の競争力は確実に落ちていく。より環境に調和した産業にしていくことが重要」と指摘。温暖化の影響は若い世代が大きく受けるとし、「私たちは将来の世代に対して負う責任を、真剣に考えなければならない」と訴えた。

   中山記者は、日本の南極観測隊が南極のドームふじ基地で採取した氷の大気成分を分析すると、二酸化炭素(CO2)濃度と温度に相関関係があったことを説明。「地球は寒暖を繰り返しており、いずれは気温が低下すると主張する人もいる。ただ、今のCO2濃度は過去70万年で最も高い値になっており、これから周期的に気温が下がっていくのか、誰も分からない」と述べた。

   トークセッションでは、身近にできる地球温暖化対策について、参加者に意見を求め、「農業分野では、以前から廃プラスチックの回収をしている」「自宅では間接照明にすると、電力使用を抑えられるのでは」などの意見が出された。

   参加した立命館慶祥高校3年の酒井爽晴さん(18)は「講演はデータを交え、論理的に構成されていた。地球温暖化について、将来にわたって考えていきたい」と話した。

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