歌や語りで観客魅了 加藤登紀子さん「百万本のバラコンサート」 町民も日本舞踊や手話で   厚真

歌や語りで観客魅了 加藤登紀子さん「百万本のバラコンサート」 町民も日本舞踊や手話で   厚真
日本舞踊や手話とともに「百万本のバラ」を歌う加藤さん(中央)

 歌手加藤登紀子さんの「百万本のバラコンサート」(厚真町文化協会主催)が4日、町総合福祉センターで開かれ、町内外から329人が来場した。加藤さんは代表曲「百万本のバラ」をはじめ18曲を歌い上げ、来場者を魅了。曲の合間には自身の人生や震災復興への思いを語った。

   加藤さんは「知床旅情」や「時には昔の話を」などのヒット曲のほか、ギターの弾き語りで「ひとり寝の子守唄」も披露した。厚真町には胆振東部地震後の2018年10月にも訪れており、「たくさん、いろいろな思いを皆さん持っていると思う。忘れたいことは忘れればいい」とおもんぱかり、「でも、思い出はすべて宝物。思い出に精いっぱい守られながら、私たちは生きていけばいい」と語り掛けていた。

   自身が旧満州(現中国北東部)のハルビン出身で太平洋戦争終結後、家族で引き揚げる際、「あなたはみんなが一生懸命守ってくれた」と母から聞かされて育ったことも紹介した。

   「百万本のバラ」では、日本舞踊教室哉メ座に所属する小学生から高校生までの児童生徒6人と、あつま手話の会のメンバー15人が登壇。加藤さんの歌に合わせて日本舞踊や手話でステージを盛り上げた。アンコールの「知床旅情」では観客も一緒に歌い、会場は一体感に包まれた。

   来場した江別市の染織家、内田明江さん(79)は「彼女の人生が歌に込められており、思わず涙が出た」と感激していた。日本舞踊教室哉メ座のメンバーで厚真中2年の日西楓さん(14)は「2カ月前から練習を重ねたが、加藤さんの生歌の迫力や人柄に感動した」と目を輝かせた。

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