厚真町で胆振東部地震の体験を語る活動をしている地元高校生の被災地ガイド「さざんか」は9、10両日、厚真町本郷のこぶしの湯あつま前広場で「さざんか防災運動会&キャンプ」を初めて行った。町民や札幌市の高校生を含め約20人が参加し、テントの組み立て競争やジェスチャーゲームなどで災害時の対応力を向上させた。
防災意識を高める機会として企画し、さざんかの活動を支援する町観光協会が協力。町民のほか、交流をしている札幌市の高校生被災地支援ボランティア団体「BLOSSOM(ブロッサム)」を通じ、同市の高校生などにも参加を呼び掛けた。
参加者は9日に同広場に集合後、布で担架を作って負傷者役を運ぶ体験をする「けが人搬送競争」や「テント組み立て競争」、避難所で必要な物を身ぶり手ぶりで伝える「ジェスチャーゲーム」などで災害発生後に必要になる技術と知識を学んだ。
その後、夕食のバーベキューに使用するたき火の火おこしも実施。高校生たちは町観光協会のスタッフの助言を受けながら、マッチや火花を起こすファイヤースターターを活用し、枝に火を付けるまでを体験した。こぶしの湯あつまで宿泊し、10日は2018年9月の胆振東部地震で被災した厚真ダム周辺を訪れ、地震発生後6年が経過し、復興が進む町の様子を見聞きした。
参加した札幌新川高校2年の江藤明虹さん(17)は「火おこしが大変で、火のありがたみが分かった。地震から6年が経過したが、ハスカップの木への影響が残っていることが印象に残った」と話す。
さざんかのメンバーで厚真高校3年の加藤迅さん(18)は「今回はイベントの企画、運営を経験できた。札幌の高校生と地震後の停電で困ったことなど共通の悩みも話せて良かった」と総括した。今回の取り組みは、来年度以降に実施する同様の活動に生かされる。