白老町と白老アイヌ協会、白老観光協会の訪問団10人は10月29日から11月2日にかけて、町と友好交流推進協定を結ぶ台湾東部の花蓮県秀林郷を訪れ、原住民のタロコ族と歌や踊りで交流した。郷の役場に当たる公所では、4月の台湾東部沖地震で町と町議会が義援金55万円を送ったことに対し、王玫瑰(ワン・メイクェイ)郷長から感謝状を受けた。
一行は大塩英男町長、小西秀延町議会議長、白老アイヌ協会の山丸和幸理事長ら。10月30日に公所を表敬訪問し、王郷長は「地震に対する義援金に心から感謝する。両地域の友情を固め、虹のような美しい架け橋を築きたい」と述べた。
その後、同公所の展覧会で、タロコ族が暮らしたとされる竹製の伝統家屋のミニチュアや生活民具などを見学。タロコ族の伝承者による口琴の演奏に耳を傾け、一行もアイヌ民族のムックリ(口琴)を披露した。同日夜の交流会ではタロコ族の輪踊りを鑑賞し、返礼にアイヌ民族に伝わるヤイサマネナ(即興歌)と踊りを見せて親睦を深めた。
一方、11月1日に予定していた台北市の旅行博への参加は台風の影響で中止。大塩町長は帰国後、「台湾東部沖地震では町民の多くが自分のこととして心を痛めており、支援はその証し。町のさらなる発展には人と人のつながりが大切で、今後も友好の輪を広げたい」と話した。
町と郷は2022年8月、友好交流推進協定を締結。今年3月には郷から訪問団19人が町役場や民族共生象徴空間(ウポポイ)を訪れていた。