環境変化と身心の関係 うれしい出来事もストレスになる 苫小牧市医師会 中塚医師
- 2023年4月11日
年度替わりは何かと慌ただしく、心身の調子を崩しやすい時期でもある。「変化はあったけれど、念願の職に就けたといううれしい出来事だから大丈夫」と思う人もいるかもしれない。しかし、そういう場合こそ要注意なのだ。 アメリカの専門家ホームズらが「人生で起こるさまざまなできごと」と心身の病気との
年度替わりは何かと慌ただしく、心身の調子を崩しやすい時期でもある。「変化はあったけれど、念願の職に就けたといううれしい出来事だから大丈夫」と思う人もいるかもしれない。しかし、そういう場合こそ要注意なのだ。 アメリカの専門家ホームズらが「人生で起こるさまざまなできごと」と心身の病気との
競馬やパチンコなどのギャンブルにのめり込み、多額の借金を抱えたり、家庭や職場で問題を起こしたりするなど、日常および社会生活に支障が出るギャンブル依存症(ギャンブル障害)。精神疾患の一つとして治療が必要だが、一般にはまだまだ「病気」という捉え方はされておらず、本人や周囲の人も「性格」などのせいにする
自分は1日に何時間座っているのだろうか―。座る時間は身体活動量の指標の一つとされ、それが長いほど、死亡や生活習慣病のリスクが高くなるとの報告がある。オフィスワーカーの座位時間を縮める方法を、筑波大学(茨城県つくば市)体育系の中田由夫准教授に話を聞いた。 ▽1日9時間余り 中田准教授
使用者の体格を測定し、高さを厳密に調整した枕を使うことで、首の痛みなどの改善が期待できると、16号整形外科(相模原市)、東京工科大などの研究グループが発表した。 体に合わない枕の使用は、首の痛みや睡眠の質の低下を招き、心身に悪影響を及ぼすとされる。研究グループは、2016年4~7月に
健康な生活を送るために、朝食は大切だ。だが、朝食を取らない人の割合は高校を卒業する頃に急に上がり、40代まで高い状態が続く。立命館大食マネジメント学部(滋賀県草津市)の保井智香子教授(応用健康科学)は「高校卒業後、栄養教育を受けることが必要です」と話している。 厚生労働省が2019年に実施
普通体重の人と比べ、肥満度が高い人ほど糖尿病、高血圧、脂質異常症の有病率とリスクが増加するが、女性では脂質異常症のリスクの上昇幅は小さかったと神戸大の研究グループが発表した。 この三つは肥満の人が合併しやすい代表疾患だが、肥満度別に各疾患との関係を調べた研究は少ない。そこで研究グループは、
スマートフォンの使い過ぎにより、記憶力低下など認知症に似た症状を訴える若年者がいることから注目されるようになった「スマホ認知症」。病名ではないが、軽視できないという。 「原因は脳の疲労でしょう。現時点で直接認知症に発展した症例は報告されていませんが、過度な使用を続ければ、将来的なリスクが高
足の指の第2関節が曲がった(屈曲)状態をハンマートゥという。足に合わない靴を履いていると、中で足が前方に動いてしまい、足の指が前から押し付けられ曲がってしまう。ハンマートゥは、そのような状況が長期間繰り返されて生じる。奈良県立医科大学付属病院(奈良県橿原市)整形外科の田中康仁教授は「中高年女性は特
食べ過ぎや飲み過ぎで胃が弱ったときは、どうすればいいのだろうか。胃を回復させる食生活の工夫や対策などについて、江田クリニック(栃木市)の江田証院長に話を聞いた。 ▽胃をいたわる食事を 「歓送迎会が重なるこの時期は暴飲暴食で胃が荒れ、胃もたれなどの不快症状に悩む人が増えます。実
睡眠中は、脳が休まっているノンレム睡眠と脳がおおむね活動しているレム睡眠が約90分周期で交互に訪れる。レム睡眠では、知的活動をつかさどる大脳新皮質が覚醒に近い状態にあり、夢の大半はこの間に見ている。夢の内容に応じて体が動いてしまうのが、レム睡眠行動障害だ。 「突然大声で叫んだり殴り掛かって
ビールの原料であるホップから生じる「熟成ホップ由来苦味酸」が健康な成人の注意力を向上させ、認知機能や精神機能を改善させるメカニズムの一端を解明したと、慶応大とキリンホールディングスの研究グループが発表した。 研究グループはこれまで、ホップの加熱熟成で生じる苦味酸を継続的に摂取することで、認
誰しも経験があるだろう幼少期のおねしょ。しかし5歳以上で、1カ月に1回以上、3カ月以上続く場合は「夜尿症」に該当すると、東京都立小児総合医療センター泌尿器科の佐藤裕之部長は話す。 子どもが5歳を過ぎてもおねしょをしていれば保護者は心配するが、「ある程度は自然治癒します。子供の発達のスピード
心不全患者に対する外来での心臓リハビリテーション(心リハ)の実施が、死亡や再入院の減少に効果的なことが大規模分析で裏付けられたと、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などの研究グループが発表した。 日本では、高齢化の進行に伴い入退院を繰り返す慢性心不全患者が増えている。運動療法、患者教
耳の入り口から鼓膜までの外耳道に炎症が起こる外耳炎(外耳道炎)。炎症による腫れや赤みに加え、かゆみや痛みを伴う病気だ。ひどくなると、難聴になるケースもある。 西馬込あくつ耳鼻咽喉科(東京都大田区)の阿久津征利院長は「外耳炎になりやすい人の特徴として、耳かきが好きで習慣化していることが
がん患者の血液を人工知能(AI)の機械学習モデルが解析し、13種類のがんを高精度に区別できるモデルを開発したと、慶応大や国立がん研究センターなどの研究グループが発表した。 血液(血清)に含まれるマイクロRNAは、がんなどの疾患に伴い種類や量が変動する。他のがんに関する指標よりも早い段階で変
スマホなどを見る際に、頭を突き出す頭頸部前方位姿勢(FHP)を長時間続けると頭痛や肩凝りなどが生じるのは、首の後ろや肩などに広がる僧帽筋(そうぼうきん)の使い過ぎが原因だと分かったと、金沢大などの研究グループが発表した。 「スマホ首」やストレートネックとも呼ばれるFHPが頭痛や肩凝り
尿路結石症は、腎臓から尿道に至る尿路に結石ができる病気で、再発率が高い。尿路結石の中で最も多いシュウ酸カルシウム結石の再発を防ぐ食事について、原泌尿器科病院(神戸市)栄養科の桝田裕子科長(管理栄養士)は「シュウ酸はさまざまな食品に含まれており、食べないことは不可能です。シュウ酸を食べる量や頻度を減
自己免疫疾患の一つ、全身性エリテマトーデス(SLE)の発症には、皮膚に自然に生息する細菌群のバランスの乱れが関与していることが分かったと、東北大と国立がん研究センターの研究グループが発表した。 自己免疫疾患は、免疫系の異常により自身の正常な組織を攻撃することで発症するが、詳しい原因は
歓送迎会などで酒席が増えるこの時期。悪酔いや二日酔い、飲み過ぎによる脱水症状にも気を付けたい。その対策について、雪の聖母会聖マリア病院(福岡県久留米市)の靍知光医師に話を聞いた。 ▽脱水症状に注意 酒に含まれるアルコールは胃と小腸から吸収された後、その大部分が肝臓に運ばれて分解され
くしゃみや鼻水など、つらい症状が毎年表れるスギ花粉症。根治につながり得るほぼ唯一の治療である舌下免疫療法について、第一人者の大久保公裕・日本医科大大学院教授(耳鼻咽喉科)に聞いた。 症状を一時的に抑える対症療法は、花粉症の季節になるたび治療が必要になる。これに対し免疫療法では、花粉を
血流を一時的に止めて(駆血)再開する。これを繰り返すことによって痛みやしびれの緩和を目指す「駆血療法」などを研究するMCA学会理事長で、ふく田整形外科(愛知県春日井市)の福田博司院長に話を聞いた。 ▽ベルトで圧力加える 駆血療法では、腕や脚にカフと呼ばれるベルトを巻いて専用の機器で
胸部X線を連続撮影することで、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH=シーテフ)を簡便かつ低い被ばく量で診断するシステムを世界で初めて開発したと、九州大の研究グループが発表した。 肺動脈内に形成された血栓が詰まることで血流を遮り、肺の血圧が高まるCTEPHは国指定難病の一つ。国内の患者数は約
歯周病菌の腸内への感染と体内の過剰な鉄量が、大腸がんの進行を早めるメカニズムを解明したと、熊本大の研究グループが発表した。 もともと口の中に存在し、歯周病の原因となるフソバクテリウム・ヌクレアタム菌が腸内に感染した大腸がん患者では、全身の鉄量が多いと生存率が低下することが分かっている。