PFAS問題で公費血液検査 全国初、希望住民対象に―岡山県吉備中央町

PFAS問題で公費血液検査
全国初、希望住民対象に―岡山県吉備中央町

 岡山県吉備中央町の浄水場で発がん性の恐れが指摘される有機フッ素化合物「PFAS」が国の基準を超えて検出されたことを受け、同町は25日、希望する住民を対象に血液検査を始めた。環境省によると、公費での検査は全国初。来月8日まで実施する。

 対象は約800人。PFAS血中濃度と脂質、肝機能、貧血、甲状腺ホルモンの5項目を検査し、岡山大などが分析する。町は5年後にも同様の検査を行い、フォローアップする。

 町内の浄水場では昨年10月、国が定めた暫定目標値の28倍に当たる濃度のPFASが検出された。外部有識者らによる原因究明委員会は今年9月、町内の業者が屋外の資材置き場に放置した使用済み活性炭が「発生源と考えられる」とする報告書を策定。住民の間に健康への不安が高まっていた。

 環境省は、現時点でPFAS血中濃度と健康影響との関係を示す科学的知見は十分ではないとして、血液検査には慎重な立場だが、PFASを含む化学物質の国内での暴露状況を把握するため、来年度からモニタリング調査を始める方針だ。

 検査を受けた20代農業の男性は「PFASの影響があるのか知りたい。何かがあった時は結果が保管されているという保証があるので少し安心している」と話した。