防衛財源に法人・たばこ税 復興所得税も活用、1兆円確保―政府・与党

防衛財源に法人・たばこ税
復興所得税も活用、1兆円確保―政府・与党

 政府・与党は12日、防衛費増額の税財源について、法人税、たばこ税や、東日本大震災の復興に使われている「復興特別所得税」を活用する検討に入った。2024年度から段階的に増税を実施し、27年度までに1兆円強の税収確保を目指す。早ければ15日にも決定する23年度与党税制改正大綱に詳細を明記したい考えだ。

   財源1兆円強の内訳は現時点で、基幹税の法人税7000億円、たばこ税2000億円。これに復興特別所得税の税収の半額に相当する2000億円程度を転用する案がある。

 法人税については、本来の税額に一定の税率を上乗せする「付加税」方式を実施する見通し。たばこ税は紙巻きより割安な加熱式の増税を視野に入れている。このほか、富裕層に負担を求める構想もある。

   自民、公明両党の税制調査会は12日以降、防衛財源の年内決着に向けた調整を本格化。ただ、両党内では増税への慎重論も根強く、経済界も企業に過度な負担が及ぶことに反対している。