【ボストン時事】米大リーグのレッドソックスは15日、プロ野球オリックスからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた吉田正尚外野手(29)の入団を発表した。5年契約で、大リーグ公式サイトなどによると年俸総額は9000万ドル(約124億円)。背番号は「7」に決まった。本拠地ボストンのフェンウェイ・パークで記者会見した吉田正は「ワールドチャンピオンの一員になれるように、精いっぱい頑張りたい」と意気込みを語った。
ア・リーグ東地区最下位からの浮上を目指すレッドソックスは、出塁率の高さ、確実性のある打撃に期待している。吉田正は「打撃は自分の長所。チームを勝利に導くことをテーマにプレーしてきたので、ボストンでもそういう活躍ができればいい」と話した。
日本球界屈指のヒットメーカーが憧れの舞台へ第一歩を踏み出した。レッドソックスが吉田との5年契約を発表。「ポスティングを認めてくれたオリックス、チャンスをくれたレッドソックスに本当に感謝している。僕がやることは精いっぱいプレーでお返しすること」。思いを胸に、伝統のユニホームに袖を通した。
吉田にとって米大リーグでのプレーは積年の夢だった。26年ぶりの日本一に輝いたオリックスへの愛着もあるが、「夢をかなえることは難しいと思うし、チャンスが全員にあるわけではない。チャレンジしたい気持ちが強かった」。思いは揺るがなかった。
確実性の高い打撃はもちろん、レッドソックスの本拠地であるフェンウェイ・パークも契約合意を後押しした。左翼側は極端に狭く、守備の負担が少ない。後方には高いフェンスがそびえるが、広角に強い打球を飛ばすことのできる吉田なら持ち味を存分に生かすことができそうだ。
オリックスOBのイチローさんをはじめ、数多くの日本選手が米球界に挑戦してきた。「自分も(メジャーに)行って、チャレンジしていく選手が増えるような活躍ができれば」。次世代の道しるべとなるためにも夢舞台での活躍を目指す。