採卵鶏を飼育する青森県三沢市の養鶏場「東北ファーム」は30日、鶏舎などの施設を三つに分けて別の養鶏場として扱う「分割管理」を11月に全国で初めて導入すると発表した。鳥インフルエンザが発生した場合、その養鶏場で飼っている鶏をすべて殺処分することが法律で決められており、分割管理によってリスクを軽減する。
昨年12月、同社で高病原性鳥インフルエンザが発生。一つの養鶏場としては全国で過去最多の約139万羽を殺処分し、損害は約15億円に上った。このため、分割管理の導入を決断し、養鶏場ごとの境界にフェンスを設置し、作業員や車両の消毒設備、重機などをそれぞれに用意した。
導入にかかる費用は約3億円。山本彌一社長は「お金のことよりも、同じミスを繰り返さないよう分割管理に取り組み、リスクを低減していく」と話した。
高病原性鳥インフルエンザは昨シーズン、全国で大流行し、鶏卵の価格は殺処分に伴う供給不足で高騰した。農林水産省は対策として、今年9月に分割管理のマニュアルを公表していた。