天皇、皇后両陛下は22日、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島、珠洲両市を日帰りで訪れ、被災状況を視察し、避難所で被災者を見舞われた。
両陛下は羽田空港発の特別機で午前10時50分ごろ、能登空港(輪島市)に到着。同空港で馳浩知事から被災状況について説明を受けた。午後に自衛隊ヘリで航空自衛隊輪島分屯基地に到着後、大規模火災が起きた朝市通り周辺を視察。焼け跡に向かって黙礼した。
続いて64世帯105人が身を寄せている輪島市ふれあい健康センターを訪問。両陛下は「おけがは大丈夫でしたか」「お体をお大事に」などといたわりの言葉を掛けた。
両陛下はその後、ヘリで珠洲市に向かい、41世帯83人が避難する市立緑丘中学校を訪れ被災者と面会。津波が到来した飯田港も視察し、被害が大きかった宝立地区などの方に向かって2度黙礼した。
両市では、災害対応に当たった警察官や消防団員らをねぎらった。夜に特別機で帰京した。
両陛下が発生から間もない自然災害の被災地を訪れたのは、台風被害を受けた宮城、福島両県を訪れた2019年12月以来で、即位後2度目。今回も早期の訪問を望んでいたが、地元に負担を掛けたくないとの思いもあり、宮内庁と県が日程を調整。発生2カ月を過ぎての訪問となった。
元日に起きた地震による石川県内の死者は、災害関連死人を含め241人。輪島市は102人、珠洲市は103人と大半を占める。