ガソリン補助、縮小せず延長へ

ガソリン補助、縮小せず延長へ

 政府はガソリンや灯油など燃料油価格の高騰を抑制する補助金について、補助率を縮小せず4月末までの期限を延長する調整に入った。物価高や円安、中東情勢の悪化による原油相場の上昇などを踏まえた。岸田文雄首相が28日の記者会見で、一定期間の延長を表明する見通し。複数の政府関係者が27日、明らかにした。

 延長幅は政府内で6月末までとする案が浮上したが、為替や原油価格の動向も見極めながら最終判断する。

   石油元売り会社に支給する同補助金は2022年1月に開始し、延長は今回で7回目。これにより、レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均価格は175円前後に抑制されてきた。

 一方、これまでの同補助金の予算総額は6兆円超に上り、国の財政を圧迫。政府は前回の延長を決めた昨年11月の経済対策に、「出口を見据えられる状況」になれば補助率を段階的に縮小する方針を明記していた。

 政府内には、日銀のマイナス金利政策解除で円高になればガソリン価格も落ち着くとみる向きもあったが、円安は進行。ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ情勢の緊迫も続く中、価格の高止まりに対応するため延長が必要と判断した。

 同じく4月末に期限を迎える電気・ガス料金の負担軽減策は、5月以降に支援幅を縮小する方向だ。