新型コロナウイルス感染症の流行期に、最期の時を過ごす場所(死亡場所)が病院から自宅へシフトしていたと、岡山大などの研究グループが発表した。
研究グループは、1951~2021年の人口動態統計・死因統計のデータを用い、死亡場所(自宅、病院、介護施設)の年間変化率について、年齢層や死因別に解析した。
その結果、20歳未満では変化が見られなかったが、20~64歳は病院死が減少。65歳以上では、19年以降の年間変化率を見ると、在宅死が12・3%増加したのに対し、病院死は4・0%減少していた。19年以前は在宅死2・2%増、病院死1・1%減にとどまっており、病院死から在宅死へのシフトが加速した。死因別では、がんや老衰での在宅死が大幅に増加した。
研究グループは「コロナが日本の終末期医療に影響した可能性がある。次なる新興感染症に備え、在宅医療や緩和ケアの質がどうだったのか研究を進めたい」としている。
(メディカルトリビューン=時事)