岩本理事長の解任決定 本人除く理事全員一致―不正支出疑惑・東京女子医大

岩本理事長の解任決定
本人除く理事全員一致―不正支出疑惑・東京女子医大

 同窓会組織を巡る不正支出疑惑などの問題を受け、東京女子医大(東京都新宿区)の理事会は7日、岩本絹子理事長の解任を可決した。関係者によると、岩本氏以外の理事全員一致で決定した。

 丸義朗学長を含む理事計10人は引責辞任を表明しており、今後役員は総入れ替えとなる見通し。新体制成立までは暫定的に肥塚直美理事が理事長を務める。

 関係者によると、同日開かれた理事会で、岩本氏は「辞任するつもりはあるがまだだ」などと述べたため、他の理事らが解任を要求し議決に至ったという。理事長職は解任されたが、手続き上の関係で理事にはとどまっており、近く評議員会が開かれ理事も解任される。

 一方、文部科学省は6日、丸学長らを呼び出し、責任の所在を明らかにした上で改善計画を提出するよう口頭で行政指導した。

 東京女子医大を巡っては、同窓会組織「至誠会」から勤務実態のない職員に給与が支払われたとする一般社団法人法の特別背任容疑で、警視庁が3月に大学本部や岩本氏宅を捜索。大学が設置した第三者委員会は2日、岩本氏の不正支出への関与の疑いや、経営責任について認める調査報告書を公表した。

 関係者によると、岩本氏は教職員への説明会で、「報告書を真摯(しんし)に受け止める」などと発言して謝罪したが、事実関係については明言を避けたという。