膝サポーター 転倒防止に有効か

膝サポーター 転倒防止に有効か

 健康な高齢者を対象にした実験から、膝サポーターの着用で転倒リスクが低減することが示されたと、国立研究開発法人産業技術総合研究所などの研究グループが発表した。

   膝サポーターは関節疾患やけがのある人の歩行機能を支えるが、健康な高齢者に対する有効性は明らかでなかった。

   研究グループは、健康な高齢の男女16人(平均年齢71・8歳)に膝サポーターを着用した状態とない状態で、15メートルの直線をはだしで通常の速度と早歩きで5往復してもらった。その際、歩行中の体の位置や、腰部と足部の加速度を測定し、転倒リスクと関連がある歩行時における体の動きの対称性を調べた。

   その結果、サポーターなしでは通常歩行に比べて早歩きの際に体の前後方向の対称性が低下した。一方、着用時は通常歩行と早歩きで歩行の対称性の変動が小さかった。

   研究グループは「高齢者は早歩き時の転倒リスクが高い。それを防ぐ結果が示された」としている。

  (メディカルトリビューン=時事)