秋季北海道高校野球大会は2日目の17日、札幌市の大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)で1回戦が行われ、駒大苫小牧が士別翔雲と対戦。駒大苫は先発した寺田が攻守で活躍。打っては先制点の足がかりとなる2塁打を放ち、投手としては士別打線を1点に抑えた。試合は2―1で駒大苫が辛勝し、2回戦に駒を進めた。
▽1回戦
士別翔雲
000000001-1
00100001X-2
駒大苫小牧
(士)大橋広―大塚
(駒)寺田―渡邊羚
🉂寺田(駒)
16日
▽1回戦 北照9―1帯広工業(七回コールド)、釧路江南2―1帯広大谷
- 初陣、さえる主将左腕
苫小牧出身の矢吹(東海大札幌)
16日の鵡川戦に東海大札の主将左腕、矢吹が予選も通じて今大会初先発し、鵡川打線を7回打者22人、ソロ弾一発だけの1安打に抑えた。苫小牧沼ノ端中出身で鵡川先発の三浦とは苫小牧リトルシニアの1学年上。気にせずに「いつも通りやるだけ」と腹をくくって大事な初陣の試合をつくった。よく走る速球とチェンジアップなど緩急織り交ぜて9奪三振。目標は昨秋、決勝進出しながら北海に敗れ、手が届かなかった甲子園の舞台だ。「札幌に来て野球をしているからには甲子園で日本一を取って親に恩返しがしたい」ときっぱりと語った。
-攻守完敗に学ぶ 鵡川、初戦で涙
鵡川が開幕戦となった16日の1回戦で1―5の完敗を喫した。先発は本格派1年生の三浦に託したが、三回に適時打を連ねられて5失点。打線は四回に大森が放ったソロ弾一発のみの1安打で、東海大札継投の4人に打者28人で四球さえなく、走者の出ないまま抑えこまれた。「サインを出せなかった。こんなことは初めて」と小池監督も脱帽するほかない様子だった。
七回まで相対した先発の矢吹に手も足も出なかった。「(安打できる)確率の高いファーストストライクを誰も打ちにいけなかった」と言う。逆にそこを突きつつ、三回に集中打した東海大札打線の手強さを挙げて「投手の力と新バットなのに次々と当たりを出した打撃のどちらも一枚も二枚も上手だった。スピード感が違った」と捉えていた。
右中間のスタンドに大会第1号の本塁打で春の支部予選に続く公式戦2本目を放った2年生捕手の大森は「先発した三浦が頑張っていたから、打ちたかった」と振り返る。バットスイングのスピード抜群で主軸を任されてきた打者としては、来年に向けて「打撃で体が早く開く癖を修正する」と自らの課題を絞って、仲間と一緒に初戦敗退の悔しさを胸に刻んでいた。
平成期の鵡川を甲子園に導いた故佐藤茂富監督は求められて筆を執ると、「大器晩成」の熟語をよくしたためていた。その時代の鵡川高教諭で部長でもあった盟友の小池監督は言った。「こういう負けでいい勉強ができる。本当の勝負は一冬越えないと―」。成長株たちを見渡して、強化の方策を思案していた様子だった。