駒大苫決勝進出ならず、東海大札10年ぶりV 秋季北海道高校野球

準決勝〔北海―駒大苫〕試合終了後、北海の校歌斉唱の間、ベンチ前に整列する駒大苫メンバー=23日、大和ハウスプレミストドーム

 第77回秋季北海道高校野球大会最終日は24日午前、札幌市の大和ハウスプレミストドームで札幌支部勢同士の決勝が行われ、東海大札幌が2―0で北海を下し、10年ぶり6度目の優勝を果たした。6日目の23日の準決勝では駒大苫小牧が北海に2―6で敗れた。

   ▽決勝

  北 海

  000000000―0

  00020000X―2

  東海大札幌

  (北)小野、浅水―長南

  (東)矢吹、高橋、矢吹―鈴木

  🉀太田勝馬(東)

  🉂齋藤(北)豊島、上田(東)

  23日

   ▽準決勝

  北 海

  002000040―6

  100000010―2

  駒大苫小牧

  (北)松田、浅水―長南

  (駒)寺田、許―渡邊羚、北野

  🉁長南(北)春日(駒)

  🉂櫻井(北)

   駒大苫小牧が小差の先行を守り切れなかった。一回先頭の坂本が中前打し、渡辺瑛犠打で二進。2死後に川口が右前へ先制適時打した。5点差を追った八回は2死で坂本が右前打し、春日が右翼線へ適時三塁打したがようやく追加点で反撃はここまでだった。

   北海は三回に四球と犠打、櫻井の適時二塁打に失策が絡む間1点を返し、暴投で勝ち越し。八回は浅水の左前打を足場に申告敬遠、四球で無死満塁にし、長南が左中間へ三塁打するなどで4点。二回で継投の浅水が丁寧に投げ、要所を抑えた。

  ―準決敗退に成長誓う

   駒大苫が準決勝で前回覇者の北海に挑み、力尽きた。

   一回に川口の適時打で1点先制し、二回も先頭四球に犠打の1死二塁で好機を築いて畳み掛けるか、と思われた展開に、北海が送り込んだ継投の浅水は冷静。続く投ゴロで飛び出していた二走を捕球後に挟殺した上、その間、二進を目指した打者走者までタッチアウトにして併殺プレーとし、駒大苫にあった序盤の勢いを北海が守備力で削いだ。

   先行の北海が好投していた寺田をつかまえ、終盤に駄目押しの加点も、終われば双方5安打ずつの試合。駒大苫主将の4番打者・林は「球は速くないけれど、低めを突かれ続けた」と浅水の周到な投球を振り返った。

   中盤からの代打では1年生春日が奮闘。交代した六回は1死で中前打し、二盗も決めた。続く八回2死一塁の打席で外側変化球にバットを合わせ、右翼線に適時三塁打。「自分たちの本分はつながる打線だと思う。来年に向けて鍛えていきたい」と語った。

   佐々木監督は「悔しいですね」と感想を絞りだした後、「相手がさすがだと思った」と率直に試合を顧みた。道内決勝を狙うチームとして戦うための攻守さまざまな要諦が詰まったゲームと総括し、「2年生がもっと頑張って、1年生もさらに頑張る。うちは強くなれるチームだと思います」。改めて再建を決意した様子だった。

  ―力投の寺田、与四球突かれる

   今大会は初戦から2戦完投し、3失点の好投を続けてきた駒大苫の主戦寺田。北海戦でも許した四球は二つだけだが、昨秋王者はそのわずかな制球の乱れを突いた。いずれも四球を与えた三、八回に得点に結び付けられた。試合後に寺田は「甘いところに入ってしまう失投が多かった」と語った。八回には満塁の危機を招き、直後に三塁打を被弾するなどで4失点。「変に力んでしまった。そこがまだまだ未熟なところ」と悔やみ、「自分が、マウンドに上がったら絶対大丈夫とベンチから思われる存在にならないといけない」。力強く駒大苫のあるべき主戦像を語った。