政府は2日付で、2024年秋の褒章受章者786人(うち女性157人)と26団体を発表した。学術やスポーツなどで優れた業績を挙げた人が対象の紫綬褒章には、将棋棋士の渡辺明氏(40)や、パリ五輪・パラリンピック金メダリスト54人らが選ばれた。発令は3日。
渡辺氏は2000年、加藤一二三九段、谷川浩司十七世名人、羽生善治九段に続く4人目の中学生棋士としてデビュー。八大タイトルの竜王戦、棋王戦でそれぞれ5連覇し、超一流の証明とされる「永世称号」の資格を獲得した。タイトル獲得期は羽生九段、故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人に次いで歴代4位。
金メダリストからは、柔道の阿部一二三さん(27)、やり投げの北口榛花さん(26)、体操の橋本大輝さん(23)らが受章。声楽家の妻屋秀和さん(60)、グラフィックデザイナーの原研哉さん(66)らも決まった。
農工業などで高い技術を持つ人が対象の黄綬褒章には、騎手の武豊さん(55)らを選出。1987年から活躍し、競馬の認知度向上やイメージアップへの貢献を理由に挙げた。
受章者の内訳は、紫綬褒章が73人(うち女性18人)、黄綬褒章が258人(同20人)。産業振興や社会福祉の増進などに貢献した人が対象の藍綬褒章は443人(同114人)、人命救助に尽力した人が対象の紅綬褒章は1人、社会奉仕活動で実績を挙げた人をたたえる緑綬褒章は37人(同5人)と26団体だった。