• 「日本語からの祝福、  /  日本語への祝福」/李琴峰著/言葉へのいちずな思い
    「日本語からの祝福、  /  日本語への祝福」/李琴峰著/言葉へのいちずな思い

       著者にとって第二言語である日本語で最初に書いた小説が新人文学賞の最終候補となった。その知らせを受けたのが2017年2月14日夕刻、社員食堂の片隅。予想もしなかったこの「バレンタインデーの奇跡」の描写から一気に引き込まれる。彼女は、4年後に芥川賞を受賞するのだ。 本書は、台湾の地方の農村に生まれた

    • 2025年4月8日
  • きょうの献立
    きょうの献立

       主な材料(2人分)鶏むね肉1枚長ネギ10㌢ニンジン10㌘下ろしショウガかたくり粉めんつゆ(3倍濃縮)レモン果汁すりごま(白)ラー油作り方①ニンジン、長ネギは千切り。鶏むね肉は皮をむいて一口大のそぎ切りにして、下ろしショウガ小さじ¼、酒大さじ1、塩少々で下味を付ける。②鍋に湯

    • 2025年4月7日
  • 風刺性に満ちた娯楽SF/科学技術の進展で何度も生まれ変われる男の運命/ポン・ジュノ監督 映画「ミッキー17」
    風刺性に満ちた娯楽SF/科学技術の進展で何度も生まれ変われる男の運命/ポン・ジュノ監督 映画「ミッキー17」

       2人のミッキーの“違い”も見どころ 映画「ミッキー17」は、「パラサイト 半地下の家族」などで知られる韓国の俊英ポン・ジュノ監督が欧米の人気俳優と組んで撮影した最新作。科学技術の進展で何度も生まれ変われるようになった男の運命を描くSF作品で、ポン監督お得意のブラックな笑いを随所にちりばめ、風刺性に満

    • 2025年4月5日
  • 名作アニメを実写化 映画「白雪姫」/ミュージカルシーンで魅了/随所に現代的解釈も
    名作アニメを実写化 映画「白雪姫」/ミュージカルシーンで魅了/随所に現代的解釈も

       映画「白雪姫」(マーク・ウェブ監督)=ディノスシネマズ苫小牧で上映中=はディズニー屈指の名作アニメーションを実写化したファンタジー。随所に現代的な解釈を施しながら、つぼを押さえたミュージカルシーンや絵画を思わせるファンタスティックな絵作りで、肩の凝らない上質のファミリー向け作品に仕上がっている。

    • 2025年4月3日
  • お薦めSF/「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」上下巻 R・F・クァン 著/翻訳が力を持つ世界
    お薦めSF/「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」上下巻 R・F・クァン 著/翻訳が力を持つ世界

       R・F・クァン「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」(古沢嘉通訳、東京創元社、上巻3300円・下巻2750円)は、アヘン戦争前の英国を舞台にした改変歴史学園ファンタジー。 広東で貧しい生活をしていた中国人の少年ロビンは、ある日、英国人言語学者の被後見人として語学の教育を受けることになった。や

    • 2025年4月1日
  • 「村上春樹で出会うこころ」/河合俊雄著/私の知らない私の浮上
    「村上春樹で出会うこころ」/河合俊雄著/私の知らない私の浮上

       小説を書く上で最大の困難は、人と人とをどう作中で出会わせるかである、とよく言われる。作家は偶然を自由に行使する特権を持つが、読者は恣意(しい)的な偶然を嫌う。 初期の村上春樹は出会い損ねを描く名人だった。出会っても出会いきらないクールな関係が、ベタベタした人間関係社会では魅力的だった。しかし時を

    • 2025年4月1日
  • 「書く、読む、生きる」/古井由吉著
    「書く、読む、生きる」/古井由吉著

       現代文学をリードした作家の講演録や晩年のエッセー、20年近く選考委員を務めた芥川賞の選評などを収録。「馬券的中の恐ろしさ」では、長年の競馬の楽しみから筆を起こし、運不運や危機一髪を巡る随想を経て、東京大空襲の記憶へとつなぐ。軽みと深み、虚と実を流れるように行き来する語り口に浸れる。(草思社文庫・

    • 2025年4月1日
  • 「地方で拓く女性のキャリア」/野村浩子著
    「地方で拓く女性のキャリア」/野村浩子著

       地方の中小企業で管理職として働く女性11人を紹介し、女性が地方でキャリアを形成するためのヒントを示す。本人の意欲と努力だけでなく、経営者の後押しや自治体の役割も大きいと指摘。性別や雇用形態にかかわらず、すべての従業員が働きやすい制度を導入した企業の成功例は示唆に富む。(光文社新書・1078円)

    • 2025年4月1日
  • 「熊はどこにいるの」/木村紅美著/さまよう者の静かな息吹
    「熊はどこにいるの」/木村紅美著/さまよう者の静かな息吹

       自分の思うままに生きられる者はいない。どこかで折り合いをつけて生きるしかないのが、私たちの生き方でもあるが、そうできずにあらがって生きるのもまた人生である。 長い道のりの人生において、未練や後悔は常に後から追い掛けてくる。寂しさや悲しみも湧き上がってくる。それらの感情を甘受して生きるか、あるいは

    • 2025年4月1日
  • 「関係人口」/高橋博之著/都市と地方の共存
    「関係人口」/高橋博之著/都市と地方の共存

       本書は「関係人口」の提唱者による新時代の地方創生論である。 東北や能登の被災地における復興を事業家の立場で実践してきた著者によれば、関係人口は地域やその地域の人々とさまざまな形で継続的に関わる地域外の人々を指すもので、観光以上、移住未満とされている。 日本全体が人口減少局面となり、都市に人口が

    • 2025年4月1日
  • AI革命に伴う危険な事態/「知の巨人」ハラリ氏の警告
    AI革命に伴う危険な事態/「知の巨人」ハラリ氏の警告

       ユヴァル・ノア・ハラリ氏の新刊「NEXUS 情報の人類史」(上・下)「AIの進化は急激なのに本の執筆には時間がかかる。新刊では2010年代までの出来事をつづった」と話すユヴァル・ノア・ハラリ氏=東京都港区の慶応大三田キャンパス 人工知能(AI)の台頭で世界はどう変わるか―。6年ぶりの新刊「NEXUS

    • 2025年4月1日
  • BOOK/「ミーツ・ザ・ワールド」/金原ひとみ 著
    BOOK/「ミーツ・ザ・ワールド」/金原ひとみ 著

       27歳の銀行員・由嘉里は、「この世界から消えなきゃいけない」と語る新宿・歌舞伎町のキャバ嬢ライと偶然知り合い、衝動的に同居を始める。長年実家暮らしで、推し漫画のキャラを愛好し、異性との恋愛経験もない。人気ホストのアサヒ、ドラッグに溺れる小説家ユキらと関わるうちに、当たり前と思っていた世界が揺らぎ始

    • 2025年4月1日
  • 春の民放テレビ局改編/朝帯や長寿番組が終了/中居氏後番組決まる
    春の民放テレビ局改編/朝帯や長寿番組が終了/中居氏後番組決まる

       民放の春の番組改編が出そろった。朝の帯番組や長寿番組が相次いで終了。芸能界を引退した中居正広氏の出演番組の後継は、特別番組のレギュラー化などで対応する。 ■(+の端点と中心が◇)    ■(+の端点と中心が◇)    ■(+の端点と中心が◇)  日本テレビ(STV)は、20年以上続いた日曜午後

    • 2025年3月27日
  • 「子とどう向き合うか-考える読み物」 「母の友」 72年の歴史に幕
    「子とどう向き合うか-考える読み物」 「母の友」 72年の歴史に幕

       育児雑誌の先駆けだった月刊誌「母の友」(福音館書店)が3月号をもって休刊し、72年の歴史に幕を下ろした。編集長だった伊藤康さんは「親が子どもとどう向き合い、生きていくかを考えてもらう読み物だった」と振り返る。 創刊された1953年はテレビ放送が始まったばかりで、テレビを持つ家庭は少なく、子どもが

    • 2025年3月26日