• 引きこもり経験と笑い(上
 磯崎(いそざき)文盛(ぶんせい)
    引きこもり経験と笑い(上 磯崎(いそざき)文盛(ぶんせい)

       いぶり勧学館に遊びに来る地域の子どもたちが心の底から笑っている姿には、まるで美しい南国の海や木々に囲まれて暮らす人々の屈託のない笑顔とどこか重なるものがあります。だけど次の瞬間。スマホに目を奪われ、そんな笑顔がすっと消えると、少し寂しく感じることもあります。  一時期、心の充実度を測る「国民

    • 2024年3月2日
  • 対話こそがまちの力 読み聞かせよっちゃん 三浦芳裕さん(56)
絵本でつながる交流の輪「温かい場所をつくりたい」
    対話こそがまちの力 読み聞かせよっちゃん 三浦芳裕さん(56) 絵本でつながる交流の輪「温かい場所をつくりたい」

       自動車エンジンを製造する企業で働く傍ら、「読み聞かせよっちゃん」として地域のさまざまな場所に出向いて絵本を読んでいる。活動を始めてもうすぐ3年がたつ。数えきれないほどの人と出会い、語らい、心を通わせてきた中で実感してきたのは、人と人がつながり合い、思いやり合える地域の大切さだ。「小さくても、そこに

    • 2024年3月2日
  • ウトナイ湖の冬彩るマヒワとベニヒワ
    ウトナイ湖の冬彩るマヒワとベニヒワ

       冬のウトナイ湖では、厳しい冷え込みの中でも、餌を探して動き回り、懸命に生きる野鳥の姿を観察できます。ウトナイ湖周辺でよく見られる樹木のハンノキ類には、その種子を採餌(さいじ)するためにさまざまな野鳥がやってきます。その中でも、よく見られるのは、鮮やかな黄色の羽毛が特徴のマヒワです。マヒワは道内の高

    • 2024年3月1日
  • うるう年
佐瀬(させ)英明(ひであき)
    うるう年 佐瀬(させ)英明(ひであき)

       今年は2月が1日長い「うるう年」です。例外はありますが4年に1度、オリンピックが開催される年でもあります。  普段はあまり意識しませんが、私が今の会社に入社した1980(昭和55)年、この年は「うるう年」がいつなのか、常に頭の片隅に置かなければならない年になりました。  入社後、初めて

    • 2024年2月29日
  • (4)中心市街地活性化 エガオ閉鎖から 10年 なお続く交渉 市、26年度以降の解体想定
    (4)中心市街地活性化 エガオ閉鎖から 10年 なお続く交渉 市、26年度以降の解体想定

       2014年8月に旧商業施設「苫小牧駅前プラザエガオ」が閉鎖してから今年で10年。市は土地の一部を所有する大東開発と今なお交渉を続けている。24年度は苫小牧駅周辺ビジョンに基づく基本構想に沿って、駅前再開発を担う民間事業者を公募するほか、駅前広場の都市計画変更や国の補助金活用などに向け、関係者との協

    • 2024年2月28日
  • もう誰にも
    もう誰にも

       25日に、東日本大震災で多くの犠牲者を出した宮城県石巻市を訪れた。同地で話を伺ったのは、津波で長女の愛梨さん=当時(6)=を失った佐藤美香さん(49)。幼稚園児だった愛梨さんは、送迎バスで避難中に津波に巻き込まれ、その後に町を焼き尽くした火災で亡くなった。  幼稚園は高台にあり、津波に襲われ

    • 2024年2月28日
  • (3)ゼロカーボン 脱炭素社会けん引するトップランナー 公共施設の太陽光発電導入拡大
    (3)ゼロカーボン 脱炭素社会けん引するトップランナー 公共施設の太陽光発電導入拡大

       22日に開会した苫小牧市議会の定例会で市政方針演説に臨んだ岩倉博文市長は、今後のまちづくりで強調すべき視点の一つに「ゼロカーボンシティへの挑戦」を掲げた。2012年度から展開の二酸化炭素(CO2)を分離、回収、貯留するCCS実証試験をはじめ、国家プロジェクトが市内で実現してきた背景を踏まえ、「本市

    • 2024年2月27日
  • すくすく3・9の中谷さん
羽地(はねじ)夕夏(ゆうか)
    すくすく3・9の中谷さん 羽地(はねじ)夕夏(ゆうか)

       白老町には子育て支援団体「NPO法人お助けネット」を立ち上げ、20年以上にわたり運営されている60代の女性、中谷通恵さんがいます。  出会いは昨年7月、私が白老町地域おこし協力隊として着任し、移動書店「またたび文庫」を始めて間もない頃でした。白老町広報を通じて店を知り、「応援したいので!」と

    • 2024年2月27日
  • (2)子育て支援 環境への満足度 5年前から低下 事業拡充で市の姿勢示す
    (2)子育て支援 環境への満足度 5年前から低下 事業拡充で市の姿勢示す

       苫小牧市は「子育て世代に手厚いまち とまこまい」を実現しようと2024年度、産前産後から青年期に至るまでの子育て支援に力を注ぐ。市の姿勢を内外に示すことで、若い世代に選ばれるまちを目指す。24年度予算案は「みらいへつなぐ予算」をキーワードに掲げ、人口減少社会対策と共に子ども・子育て応援を重点配分し

    • 2024年2月26日
  • <43> 昭和62年 鳥越氏、大差で市長の座に 苫東、トピア、千歳川放水路と課題山積 「行政プロとしての能力発揮を」 鳥越新市長初登庁で職員にあいさつ
    <43> 昭和62年 鳥越氏、大差で市長の座に 苫東、トピア、千歳川放水路と課題山積 「行政プロとしての能力発揮を」 鳥越新市長初登庁で職員にあいさつ

       昭和62(1987)年のこの年、苫小牧の建設業界は、久々の建設ラッシュに沸いた。ここ7、8年は1400から1700戸ほどだった住宅建築が2400戸にも上った。分譲住宅も売れた。バブルへの先駆けか。4月、市長選挙で元市議で元市職労委員長の鳥越忠行氏が民間出身で現職の板谷実氏を大差で破って当選(5万1

    • 2024年2月26日
  • 音楽の道で「売れて」みたい 川端(かわばた)愁翔(しゅうと)さん(19)
 苫小牧市沼ノ端中央
    音楽の道で「売れて」みたい 川端(かわばた)愁翔(しゅうと)さん(19) 苫小牧市沼ノ端中央

       苫小牧工業高校の生徒5人で活動するロックバンド「骨無人間」のボーカルです。昨年の冬にバンドを立ち上げ、自分で作詞と作曲をした曲を披露しています。  洋楽が好きな両親の影響で、音楽は生まれてからずっとそばにあり、小さい頃から好きでした。自分で音楽を奏でるようになったのは、高校2年生の4月に大阪

    • 2024年2月26日
  • ひそかなこだわり
    ひそかなこだわり

       穂別に来てとても感心したことの一つが、「一点豪華主義」で暮らしている人が多いことだ。  「一点豪華主義」というのは昭和時代に生まれた言葉だが、「暮らし全体は質素なのに、自分がこだわりを持つ特定の何かには出費を惜しまない生き方」というような意味だ。穂別には、「お芝居が大好きで東京まで見に行く」

    • 2024年2月24日
  • 今の自分が見えているか?
西川(にしかわ)良雄(よしお)
    今の自分が見えているか? 西川(にしかわ)良雄(よしお)

       早いもので今年も2カ月が過ぎようとしています。仕事始めの時に「誇りを持てる会社になることにより、人は集まって来てくれる」ことの意味と方向性を示しました。  もう一つ伝えたのは「企業づくりと地域づくり」についてです。課題を解決するため、お互いに一体となって活動していくこととしました。昨年、私の

    • 2024年2月24日
  • (1)財政 一般会計2年連続で過去最大に 基金取り崩し事業費捻出
    (1)財政 一般会計2年連続で過去最大に 基金取り崩し事業費捻出

       苫小牧市の2024年度一般会計予算案は23年度当初比7・1%増の883億1000万円で、過去最大を2年連続で更新した。47の新規事業を盛り込んだが「積極型」とは言い切れず、人件費や扶助費などの増加が背景。4企業・3特別会計を合わせた全会計の予算案も1449億900万円で、現在の会計数となった16年

    • 2024年2月23日
  • 「貧しいから、たくさん子供がほしい?」
    「貧しいから、たくさん子供がほしい?」

       タイ東北部の農村に滞在しているのだが、こっちにきて感じるのは、どの家に行ってもとにかく子供が多いということだ。3人、4人なんて少ないほうで、5人、6人はごく当たり前、もっとたくさんいる家も少しも珍しくない。田舎に行けば行くほど、その傾向が強いようだ。  これは何もタイにかぎったことではない。

    • 2024年2月23日
  • 焼肉徳寿苫小牧西店 苫小牧市ときわ町6 市内2店目 ランチでケーキセットも
    焼肉徳寿苫小牧西店 苫小牧市ときわ町6 市内2店目 ランチでケーキセットも

       札幌市を中心に道内で展開する焼き肉店。16日にオープンした。苫小牧市内では昨年6月開業の苫小牧店(双葉町)に続いて2店舗目。運営する梨湖フーズ(札幌市)は「苫小牧店が好評で、出店に踏み切った」と説明する。  店舗は木造2階建て約270平方メートル。19卓・86席用意し、宴会も最大28人まで対

    • 2024年2月22日
  • 奇跡の父
石澤(いしざわ)ともみ
    奇跡の父 石澤(いしざわ)ともみ

       ドラマを見ていたら、3カ月先の春になったら娘は「結婚する」、父は「他界する」と告白し合うシーンがあり、自分の父のことを思い出しました。  私の子供は男2人で3人目にやっと娘が生まれました。その2カ月後のこと、母が産後の手伝いでうちに来ている時、父が転倒して背骨を圧迫骨折しました。その後1カ月

    • 2024年2月22日
  • ウインタースポーツの魅力
    ウインタースポーツの魅力

       スポーツ部に異動して早くも1カ月が経過しようとしているが、ウインタースポーツの魅力を実感する日々を送っている。  ウインタースポーツの経験がない私にとって競技を見ること自体初めてで、最初は不安が大きかった。  しかし、一度試合を見てみると新しい発見が多く、観戦するだけでも勉強になること

    • 2024年2月21日
  • 市民参加演劇(8)
鈴木(すずき)龍也(たつや)
    市民参加演劇(8) 鈴木(すずき)龍也(たつや)

       2023年11月12日。苫小牧市での思い出深い市民参加演劇がさまざまな困難を乗り越えてようやく終わった。キャストの急な降板で代役を務めたり、演出に新たなものを取り入れダンスシーンをつくったりした。舞台に関わってまだ20年ほどだが、つらい経験も新たな挑戦も、できるのは幸せなことである。  24

    • 2024年2月20日
  • 野生鳥獣との共生考え続けたい 苫小牧市ときわ町 千葉(ちば) 正樹(まさき)さん(51)
    野生鳥獣との共生考え続けたい 苫小牧市ときわ町 千葉(ちば) 正樹(まさき)さん(51)

       苫小牧市環境生活課で働いています。今はヒグマやエゾシカ、アライグマなど野生鳥獣を担当し、事務作業をしたり現場に出たりしています。車両と接触して交通事故が発生した、庭を荒らされたと苦情を受けることもありますが、生き物の生死に直面し、真の共生ができないか、考えることが多いです。  駆除の対象にな

    • 2024年2月19日
  • おじいちゃんと孫
    おじいちゃんと孫

       2月10日土曜の夕暮れ。地下鉄福住駅から札幌ドームへと向かう狭い歩道は人の波であふれかえり、ちっとも前に進まなかった。実に42年ぶりとなる伝説のロックバンド、クイーンの来道。4万8000円とオペラ並みのゴールドチケットをコートのポケットに忍ばせ、遠く線状に続く群れの中を牛歩で進んだ。  ミュ

    • 2024年2月17日
  • 冬の足跡 加藤(かとう) 千昇(ちしょう)
    冬の足跡 加藤(かとう) 千昇(ちしょう)

       苦手な食べ物はないけれど、苦手な季節がある。冬はどうしても気分がふさぎ込み、人と会ってもすぐに疲れてしまう。何度か自分なりに工夫をしてみたが、なかなか上手に冬を乗り越えられたことがない。日照時間が短いことや寒くて体中の筋肉がこわばっていることなど、理由を考えてみてもどうにもならない。  雪が

    • 2024年2月17日
  • 世界湿地の日 厳冬期でもたくましく生きる生きものたち
    世界湿地の日 厳冬期でもたくましく生きる生きものたち

       2月2日は「世界湿地の日」。1971年2月2日、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)」が採択されたことを記念し、条約事務局が96年に定めたのが「世界湿地の日」です。この日に合わせて、毎年各国では湿地を守るためのイベントが行われています。ウトナイ湖野生鳥獣センター

    • 2024年2月16日
  • アニメの世界観楽しめる クレヨンしんちゃんシネマパレードツアー 新千歳空港
    アニメの世界観楽しめる クレヨンしんちゃんシネマパレードツアー 新千歳空港

       人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画30作品にちなんだ期間限定店。昨年12月に新千歳空港ターミナルビル連絡施設3階にオープンした。出版社双葉社(東京)が運営し、「クレヨンしんちゃん」の世界観が楽しめる空間を演出。5月12日まで営業している。  空港を管理・運営する北海道エアポート(HAP)

    • 2024年2月15日
  • 介護の話のきっかけに
川田(かわた)幸香(さちか)
    介護の話のきっかけに 川田(かわた)幸香(さちか)

       私はいろいろな方の介護に関するお話を聞く側になることが多い。その中で常に考えていることがある。高齢になっても、認知症になっても、いわゆる高齢独居になっても、住み慣れた家で暮らすことを最優先すべきか。施設に入所するのはこの人にとって良いことなのか。本人の思いと家族の介護負担のどちらを尊重するか。数え

    • 2024年2月15日
  • 冬の風物詩
    冬の風物詩

       連日ワカサギ釣り解禁の記事が掲載される中、先日同僚たちと白老町のポロト湖へ向かった。初心者3人を引き連れたのは、2年前からワカサギ釣りに魅了されているSさん。慣れた手つきでポイントに穴を開け、私を含め3人に釣り具の使い方や餌の付け方を教えてくれた。  ピクピクと動いたらリールを巻き上げる―。

    • 2024年2月14日
  • 飛行機での過ごし方と時差ぼけ 奥山(おくやま) 由(ゆい)
    飛行機での過ごし方と時差ぼけ 奥山(おくやま) 由(ゆい)

       海外旅行に行くことは楽しいですが、目的地が遠い場合はフライト時間が長いので疲れ、飛行機の中での過ごし方は頭を悩ませるところかと思います。私も昔は8時間のフライトの大半を寝て過ごすことが苦痛ではなかったのですが、最近では狭いシートで寝て過ごすことが苦しくなってきました。また、中途半端に寝て過ごしてし

    • 2024年2月13日
  • 昭和61年 「市行革大綱」で民間委託推進 
安堵と不安の「トピア」で明け暮れ
 半年間の商議所トップ不在を収拾 
渡辺三郎氏「地域活性化目指す」
    昭和61年 「市行革大綱」で民間委託推進 安堵と不安の「トピア」で明け暮れ 半年間の商議所トップ不在を収拾 渡辺三郎氏「地域活性化目指す」

       内閣府の景気動向指数によれば、この昭和61(1986)年からバブル(経済)といわれる時期に入ったとされる。土地、建物、絵画などの資産価値が実態以上に値上がりし、好景気が5年ほども続き、やがて崩壊する。ただ、その開始時期はこの年の12月とされ、また、私たち庶民が好景気を実感するのはまだまだ先、この2

    • 2024年2月12日
  • わたしの時間 平和の象徴のヒマワリ再現 苫小牧市豊川町 長門(ながと)悟(さとる)さん(88)
    わたしの時間 平和の象徴のヒマワリ再現 苫小牧市豊川町 長門(ながと)悟(さとる)さん(88)

       今年1月、平和の象徴で、ウクライナの国花でもあるヒマワリをテーマにアート作品を制作しました。ニュースでロシアとウクライナの戦争が報道されています。戦争は残念ながら今も存在しますが、「どんな理由があろうと即座にやめてほしい」という思いを作品に込めました。  制作では、2カ月間乾燥させた落ち葉を

    • 2024年2月12日
  • どこまでも
    どこまでも

       来月、旭川へ仕事で行くことになっている。それが今から楽しみで、仕事の前後にはレンタカーを借りてどこへ行こうかと、暇さえあればネットで調べているきょうこの頃。湯船にもスマホを持ち込んで調べ、引き続きベッドで横になって調べ続け、そのまま眠ってしまい翌日には調べた内容をほとんど忘れ、同じことをきょうも繰

    • 2024年2月10日