アイヌ民族は、雪をウパシと呼んだ。雪が降る―はアイヌ語で「ウパシ アシ」と言い、アシは、走るという意味。雪は天からアイヌのコタン(村)へ競争して遊びに来ると考えられていた。自然の中に神を見いだし、美しい響きで表現したアイヌの言葉は数々ある。ポロトの森の木々は葉を落とし、生き物たちも冬支度に急ぐ。白老のまちにも、もうすぐ「ウパシ アシ」の季節がやって来る。
企画「Kamuy」では、白老町在住のフォトグラファー永楽和嘉(えいらく・わか)さんがアイヌ民族の精神世界を表現したアート写真を紹介する。毎月1回掲載。 写真―永楽和嘉。撮影地―白老町・ギャラリー「rempei mizuno」。モデル―三国志の生。