千歳・支笏湖氷濤(ひょうとう)まつりの開幕が近づいてきました。昨年11月中旬から始まった氷像制作作業ですが、冷え込んできた1月4日から24時間体制での水掛け作業が始まりました。
新型コロナウイルスの感染が拡大して以降の一昨年度、昨年度の氷濤まつりは中に入るトンネルのような氷像などを中止し、「氷の美術館」と銘打って「見せる(魅せる)」まつりへと変化しました。その間に、氷像の土台に使う網を天然素材の土に返るものに変更したり、木材を支笏湖周辺で危険木として本来廃棄処分されるものを再利用したりと、環境配慮型のイベントづくりにも取り組んでいます。
今年度は、以前より「苔(こけ)の洞門」として親しまれていたトンネル状の氷像が復活します。この氷像は土台に松の木がくくりつけてあり、氷像内部にも松の良い香りが漂い、緑色にライトアップされた幻想的な空間になります。
今年度はさらに、国立公園支笏湖運営協議会が石狩森林管理署と「多様な森の活動に関する協定」を締結しました。支笏湖まつり実行委員会でも支笏湖の森づくりのため除伐したシラカバの中から不要になった倒木を探し利用しています。シラカバの木は各氷像やシラカバだけを使った氷像(通称シラカバハウス)を制作するために利用されています! このシラカバハウスを通して、支笏湖の景観保護やカーボンニュートラルの活動が発信される予定です。
千歳・支笏湖氷濤まつりは28日から2月23日までの開催です。コロナ禍で工夫を凝らして、今までになかった会場づくりがされてきた2年間。今年度は復活した氷像と新しい取り組みの融合で、ますますすてきなまつりになりそうです。
(支笏湖ビジターセンター自然解説員 佐々木香澄)