《5》 問われる情報発信の在り方 都道府県で異なる基準
- 2020年8月28日
「本人の同意が前提だが、従業員が感染した事実は知らせる必要がある」―。苫小牧市内の大手企業の広報担当者は異口同音に強調する。7月30日から8月1日にかけて、トヨタ自動車北海道、出光興産北海道製油所など4企業・団体が従業員や関係者の新型コロナウイルス感染を公表。担当者は「地域に情報を出すことは、企業
「本人の同意が前提だが、従業員が感染した事実は知らせる必要がある」―。苫小牧市内の大手企業の広報担当者は異口同音に強調する。7月30日から8月1日にかけて、トヨタ自動車北海道、出光興産北海道製油所など4企業・団体が従業員や関係者の新型コロナウイルス感染を公表。担当者は「地域に情報を出すことは、企業
「園名を公表する必要がある」―。苫小牧市元中野町のなかの保育園で3月15日、園児が新型コロナウイルスに感染していることが判明し、市と同園は協議して園名の公表に踏み切った。当時0~5歳児104人が在籍し、不安払拭(ふっしょく)と感染拡大の防止が急務だった。臨時休園や消毒作業など迅速な対応が求められる
「居住地情報の公表が市民への注意喚起など感染予防につながる」「個人情報は漏れないよう配慮します」「デメリットとして個人が特定される可能性があります」―。 苫小牧市内で新型コロナウイルスの感染が確認された場合、苫小牧保健所は患者に陽性判明を伝えるのに併せ、居住地情報を公表するか否かの意向を確
「胆振管内在住と言われているが、苫小牧市内で感染が確認された」―。2月22日午後6時から苫小牧市役所で開かれた記者会見で、岩倉博文市長はそう切り出した。市内で新型コロナウイルスの感染が初めて判明した瞬間だった。 これに先立ち、道が胆振管内で初の感染者が出たことを公表していたが、自治体名を明
「クラスター(感染者集団)になるかも」―。8月2日午前の苫小牧市役所一室。日曜日にもかかわらず、緊張感に包まれていた。市内の企業・団体による新型コロナウイルス感染事例の相次ぐ公表を受け、市は対策本部会議を急きょ開いた。岩倉博文市長や2人の副市長、全部署の幹部が集まって対応を協議。感染者の居住地名は