第2部 (5)変革期 未来へチャレンジ 積極的に異業種交流
- 2022年10月15日
「北海道のために汗をかくことで学ぶことがある。この1年はまだまだ試行錯誤」―。トヨタ自動車北海道の内藤一徳副社長は謙虚に振り返る。将来に向けて社内でビジョンを明確にし、社員で共有しようと昨年4月に立ち上げた「アドバンスドBCD企画推進室」を統括してきた。 ビジネスクリエーションの「B」、カ
「北海道のために汗をかくことで学ぶことがある。この1年はまだまだ試行錯誤」―。トヨタ自動車北海道の内藤一徳副社長は謙虚に振り返る。将来に向けて社内でビジョンを明確にし、社員で共有しようと昨年4月に立ち上げた「アドバンスドBCD企画推進室」を統括してきた。 ビジネスクリエーションの「B」、カ
国が2050年の「脱炭素社会の実現」を掲げる中、トヨタ自動車(愛知県)が昨年6月、カーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)の35年達成を目指すと発表した。「オールトヨタ」で当初計画を前倒し、トヨタ自動車北海道も目標の上方修正を迫られた。 これまで二酸化炭素(CO2)排出量は、0
「世界的な名画を地方で、しかも無料で鑑賞できる機会は本当に貴重。全国的にも珍しい取り組み」。苫小牧市美術博物館の美術担当学芸員、細矢久人さん(42)はそう説明する。 トヨタ自動車北海道の創業30周年記念事業で7、8月、同館と共催した特別展は入場無料で、延べ7432人が鑑賞した。ウィーンの巨
トヨタ自動車北海道の従業員数は1日現在、市内企業では最多の3538人。1992年4月の第1回入社式以降、地元で新規採用を欠かした年はない。部品製造が活況を呈するたび、期間従業員を中心に雇用を拡大してきた。現在の従業員はほぼ北海道出身者で、そのうち胆振管内は約6割。平均年齢は30代後半と比較的若い。
「自動車関連産業は北海道のものづくりの要。御社はけん引役として本道経済の発展にご尽力頂いた」―。トヨタ自動車北海道が9月5日に行った創業30周年記念式典で、来賓の鈴木直道知事が感謝した。新型コロナウイルス感染対策で参加者を約50人に限定したが、道や苫小牧市の行政、経済界、関連企業のトップらが一堂に
「電動化、ハイブリッドユニットは現在、全体の15%。ここをどんどん増やさないと、仕事が減っていく」―。トヨタ自動車北海道の今井光明常務取締役(59)は危機感を募らせる。トヨタグループが2035年のカーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)達成を目標にする中、主力はまだまだガソリン車向け。
「地元の期待に応え続けられる会社であってほしい」―。トヨタ自動車北海道労働組合の初代執行委員長、渡辺敏明さん(72)は古巣にエールを送る。労使は相互信頼、車の両輪との考え方で約12年間、組合の立場から「北の戦略拠点」としての発展に尽くし、「経済や雇用の面で、地域の期待に割と応えられた」という自負が
「自動車業界はいろんな課題を抱えている。ものづくりも今のままとはいかない。でもトヨタは新しいものに挑戦していくだろう」―。産業用機械などを製作する苫小牧市晴海町の松本鉄工所、松本紘昌会長(76)はそう予言する。トヨタ自動車北海道の取引会社による協力会「勇豊会」の初代会長であり現顧問。1992年10
「地元第一でないと仕事はできない」―。トヨタ自動車北海道の元副社長、石橋弘次さん(76)は力を込める。同社の立ち上げから深く携わり、道内ものづくり企業の最大手に成長するまでの歩みを共にした。苫小牧商工会議所副会頭(2007年から3期9年)などを通して地域にも貢献したが、「うちらは大企業として来たの
今年6月23日、トヨタ自動車北海道で主力品目だった自動変速機(AT=オートマチックトランスミッション)の「U340」が生産を終了した。1999年7月の生産開始以降、累計生産数は約1256万6000台と、同社の歴代最多を誇った製品。道内ものづくり企業最大手の地位を、不動のものに築く原動力となった製品